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「特定疾患」医療費補助 軽症者除外へ 患者団体の反発強まる
 治療困難で患者数が少ない「特定疾患」のうち、パーキンソン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎について、厚生労働省の特定疾患対策懇談会が医療費の公費補助対象から軽症患者を除外する方針を決めたことに、患者団体などの反発が強まっている。25日は医療費助成の事業主体である県に対し、県内の関係団体が見直し撤回を国に働き掛けるよう要望した。

国への働き掛けを求める要望書を読み上げる県難病団体連絡協議会の池田会長(右から2人目)=県庁
 同日、県難病団体連絡協議会の池田博幸会長と県パーキンソン病友の会、熊本IBD(炎症性腸疾患)の関係者計3人が県健康づくり推進課を訪れ、「公費補助対象の縮小は患者の治療にも大きな支障をきたす」とする要望書を提出、国への働きかけを求めた。

 特定疾患は、原因不明で治療法が確立していない難病のうち、原則として患者数が5万人未満の病気を、厚労省が同懇談会の意見を受けて選定する。医療費の自己負担分の全額または一部を公費で負担。45疾患が対象となっている。

 同懇談会が、見直し方針を打ち出したのは8月。両疾患の患者数が指定要件の5万人を大幅に上回っているのが主な理由で、潰瘍性大腸炎(約8万人)とパーキンソン病(約7万3000人)で、特定疾患の患者全体の約3割を占めている。

 妻がパーキンソン病で、県パーキンソン病友の会会長の上村清春さん(73)=熊本市=は「公費負担の対象から外されれば病院離れが進み、症状を悪化させる人が増える」と指摘。「患者数が増えたからといって、補助対象を絞り込むのは納得できない。そもそも5万人の科学的根拠を示すべきだ」と憤る。

 一方、30代半ばに潰瘍性大腸炎と診断された橋永高徳さん(48)=八代市=も不満を口にする。自身の症状は、今のところ落ち着いてはいるものの、「この病気は若年者の発症が多い。症状も良かったり、悪かったりで就職も難しい。薬に頼るしかない患者にとって、医療費の負担増は死活問題だ」という。副会長を務める熊本IBDでは、見直し反対の署名活動も展開している。

 厚労省によると、肥大型心筋症など13の患者団体から追加指定の要望が上がっているが、財源面などから2003(平成15)年10月以降、新たに選定できない状態にあるという。都道府県と国の公費負担総額は、年間約700億円。「財政が厳しさを増す中、追加指定を求める声に答えるには、見直しもやむえない」(同省疾病対策課)と理解を求める。

 同懇談会は9月に患者団体からのヒアリングを終え、10月にも最終的な結論を出す予定。潰瘍性大腸炎患者を代表して意見を述べたIBDネットワーク世話人の藤原勝さん(43)=京都市=は「難病で同じように苦しみながら、公費補助を受けられない人たちがいるのは心苦しい。患者間の予算の取り合いから抜け出すには、難病対策自体の総額を増やすべきだ」と話している。(本田清悟)

 (熊本日日新聞2006年9月26日朝刊)
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