くまにち.コム  
3大生活習慣病やこころ、こどもの病気など、最新治療法や先端医療の現状をお伝えします。  
   
ホーム > 読むクスリ > 男性の病気一覧 >   
読むクスリ
メール健康相談
休日在宅医 お役立ちリンク
お知らせ
フリーワード検索

     
肥後医育塾
笑顔ヘルCキャンペーン
メディカルネット
デリすぱホームドクターガイド



DHEAの血中濃度が高い男性ほど長寿
久留米大病院第3内科のグループ 900人以上を27年間追跡し確認
 “抗老化ホルモン”とされる「デヒドロエピアンドロステロン」(DHEA)の血中濃度の高い男性ほど長生きすることを、久留米大病院(久留米市)の今泉勉第3内科教授(心臓・血管)らの研究グループが、900人を超える住民検診受診者を30年近く追跡調査して突き止めた。

DHEAの作用の可能性
 DHEAと長寿の関係は、欧米では1990年代から研究が進んでいるが、これほど長期間の疫学調査で確認したのは世界初という。

 DHEAは、体内の副腎皮質でつくられ、男性ホルモンまたは女性ホルモンに変化する前の物質(前駆体)。加齢とともに減少するため、欧米では長生きの重要なバロメーターの一つで、体を維持するうえで欠かせない役割を果たしているとみられている。

 抗老化のほか、がんや動脈硬化、アルツハイマー型認知症の抑制、抵抗力の強化、糖尿病の予防といった作用が指摘されている。FDA(米食品医薬品局)は1994年、サプリメント(栄養補助食品)として製造販売を許可。1錠当たりDHEA30mg含有のサプリメントが90錠入り26ドル(1ドル=約120円換算、約3120円)で“魔法のホルモン”として売られている。またDHEAホルモン補充療法も試みられている。ただ日本では実証データがないとして販売は許可されていない。

 研究グループは昨年12月、久留米市田主丸町(旧浮羽郡田主丸町)で1978〜79年に実施された住民検診で血液中のDHEA濃度を測定していた20歳〜88歳の940人(男396人、女544人)を追跡し、生死や死亡時期、死因を調べた。この住民検診は「田主丸検診」と呼ばれ、1958年に日本、米国、イタリア、オランダ、ギリシア、旧ユーゴスラビア、フィンランド7カ国の共同研究の一環として始まり、現在も毎年、検診を続けている。

 受診者のうち男性は324人の生存が判明し、検診時の血液中のDHEA濃度に基づき3グループに分類。年齢や収縮期血圧、空腹時血糖値で補正した後、各グループを比較した。

 その結果、血中濃度が最低グループの死亡率は25.6%、中程度グループは17.3%、高濃度グループは6.6%だった。最高濃度と最低濃度のグループ間では3.87倍の開きがあった。

 しかしDHEAの濃度を高める方法などは分からないという。

 一方、女性の受診者は471人の生存が分かったが、DHEA濃度と長生きの間に明確な因果関係は認められなかった。女性ホルモンの影響が大きいとみられる。

 足達寿助教授は「成人男性は血液中のDHEA濃度を測定すると、寿命を予測することも可能になる。今後、欧米のようにDHEAホルモンの補充療法をすれば、老化の進行を遅くすることができるだろう」と言っている。

 今回の研究は、米シカゴで12〜15日に開かれる米国心臓病学会で発表される。(南里秀之)

 (くまにちコム「健康・医療」2006年11月13日付)

※ この記事へのご意見、ご感想をお寄せください。
あて先は iryou@kumanichi.co.jp
 
  無断転載は禁じます。
掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun
  (c) 熊本日日新聞社 〒860-8506 熊本市世安町172