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前立腺がん PSA検査で早期発見
 中高年以上の男性を脅かす前立腺がんが急増している。一般的に発がんから臨床的ながんになるまで40年近くかかるといわれるほど成長速度が遅いがんで、初期段階では自覚症状がない。ただ初めて気付いた時は、既に骨やリンパ節などに転移しているケースも少なくない。

前立腺がんは予防の決め手がなく、早期発見、早期治療が大切。血液中のPSA(前立腺特異抗原)測定など比較的簡単な検査で早期発見が可能だ=熊本市の熊本中央病院生体検査室
 さらにこれといった予防の決め手もないことから、早期発見、早期治療が欠かせない。早期発見は、血液中の「PSA(前立腺特異抗原)」測定という比較的簡単な検査でできる。最近は各都道府県医師会などが中心になってPSA検査を推進する会を設立、早期発見を呼び掛けている。

 前立腺がんは、欧米に多いとされてきたが、日本でも高齢化や食習慣の欧米化で2015年に罹患(りかん)率、死亡率とも臓器別がんのトップになると予想されている。

 前立腺は青壮年期はクルミ大の大きさだが、加齢とともに大きくなり、残尿感や頻尿などの不快な症状が出てくる。しかし大きくなるだけなら前立腺肥大症で、がんではない。この場合も判別にはPSAの測定が役立つ。

 PSA検査では正常値は4未満。4〜10はグレーゾーン。10以上はがんの可能性があり、精密検査(生体検査)が必要とされる。熊本中央病院(熊本市)泌尿器科の濱田泰之・医長は「PSAの値は加齢とともに上がります。70歳ならおおむね平均値は4。しかし、50歳の人が4なら問題で、生体検査が必要でしょう」。さらに家族、特に兄弟に前立腺がんの人がいれば、PSAが低くても注意した方がいいという。

 慈恵医科大の池本庸・助教授(泌尿器科)は「前立腺がんはゆっくり進行するので、それほど慌てることはない。一年おいてPSA値を調べ、診断することもある。しかし油断し過ぎては駄目」と話す。

 前立腺がんの病期(ステージ)は、4段階(A、B、C、D)に進行する。早期がん(病期A、B)では前立腺を切除する全摘手術が中心だが、進んでいる場合(病期C、D)は、男性ホルモンの働きを抑える内分泌療法が主体になる。

 熊本中央病院の場合、1991(平成3)年7月から12月18日までに、おおむね75歳以下を対象に218例手術し、前立腺がんで亡くなったのはわずか3例。九州ではトップクラスの実績で79歳の手術例もあるという。濱田医長は「50歳を過ぎて排尿に異常を感じたら、すぐに専門医の診察と検査を受けることが大切」と言っている。

  (熊本日日新聞2002年12月24日付「夕刊メディカル」)

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