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県医師の地域偏在解消へ 県の具体的な対策スタート
 県の医師確保対策が具体的に動き始めた。六月三十日に設置されたドクターバンクを皮切りに、保育所を院内に設置する公立病院への補助制度や熊本大医学部学生への奨学金制度の創設など、多様な取り組みだ。県内の医師数の現状と対策を探った。

 県内の医療施設で働く医師数は二〇〇六年末現在で四千四百六人。人口十万人当たりでは、二四〇・〇人と全国で十一番目に多い。

開き3倍以上

 しかし、地域(二次保健医療圏)ごとの人口十万人当たりの医師数を比較すると、最も多い熊本圏域と最も少ない阿蘇圏域では三倍以上の開きがある。熊本市に医師が集中し、その他のほとんどの地域では医師が不足しているのが実態だ。診療科ごとでも、医師不足が全国的問題となっている小児科や産科の医師数は県内でも減少している。

 性別では女性医師が増加傾向にあり、三十四歳以下は全体の三割を超えている。県内の自治体病院の常勤医師数も減少。〇六年度三百二十五人(県立こころの医療センター除く)で、〇一年度の三百九十四人をピークに年々減っている。

各課題に対応

 県は、医師確保に関する課題として(1)新医師臨床研修制度の導入に伴う大学医局の医師派遣調整機能の低下(2)医師全体の中で比重が高まっている女性医師の離職防止(3)地域医療に従事する医師不足といった医師の地域偏在|など計五項目を提示している。

 今後、最も具体的な取り組みが始まるのが地域偏在への対策だ。すでに始まったドクターバンクでは、県内の医療機関で勤務を希望する医師に、医師を必要としている公立病院・診療所を無料で紹介・あっせんする。「四日時点では、医師からの問い合わせはきていない」(県医療政策総室)が、今後東京事務所などを活用し登録を呼び掛けるという。

 県はすでに熊本大に医学部の定員を現行の百人から五人増員するよう要請している。これに伴い、六月定例県議会では、同大医学部の学生に対する奨学金を設定する条例を提案、可決された。〇九年度入学者から九年間、最大五人に対し返済免除の条件が付いた奨学金を貸与する。

 同大への寄付講座開設では、地域医療を担う医師の養成や確保などに関する研究を行う予定。具体的な内容はこれからだが、すでに入学している学生も対象にし、「即効性を期待している」(県)という。

住民も対象

 子育てと仕事の両立に悩み離職していく女性医師への対策も強化する。現在、公立病院で院内に保育所を設置しているところはない。本年度は公立病院に対し、保育所を設置する際の設備費の一部を補助する。すでに県南の公立病院が整備を予定しているという。このほか、医師不足や医師の疲弊などの現状を知ってもらおうと、住民を対象にした活動にも取り組む。小児科を利用することが多い母親グループに、小児科医が不足している現状を話すなど、職員が出向いて理解を求めるという。(田端美華)

 (熊本日日新聞2008年7月11日付朝刊)
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