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高度治療に支障の恐れ 機能分担の進展が影
ベッド数当たり救急入院患者が全国トップクラスの済生会熊本病院。救急ストップが年々増えている=4月30日、済生会熊本病院救急センター(小野宏明)
 救急医療崩壊の波が熊本にも押し寄せている。医師の偏在と高齢者の増加という全国的な傾向が主因だが、熊本特有の医療提供体制も少なからず影響している。

 日本人の三大死因の一つ、脳卒中の地域連携で熊本は全国の先進地の一つ。救急患者を受け入れる急性期病院、社会復帰を目指すリハビリ病院、再発防止に注意を払う開業医が、それぞれの役割を分担。急性期病院が、急患受け入れに専念できる体制をつくっている。

 ところが機能分担の進みすぎが救急医療に影を落とす。「近くの病院で処置できる治療レベルでも患者や家族が納得せず、救急隊に熊本市の大きな急性期病院への搬送を訴えるケースが増えている」。済生会熊本病院の前原潤一救急部長は指摘する。その結果、救急に注力する四大病院が、難易度の高い内科的治療や手術を必要とする患者を断る事態が想定される。

 今のところ、四大病院が同時に救急拒否した例はない。病院を“たらい回し”され、搬送中に死亡した患者もいない。ただ複数の救急担当者は「県内のどの病院も受け入れができず、ヘリコプターなどで県外の病院に送る例は珍しくない。厳密に言うと熊本の救急医療は既に崩壊している」。

 救急医療は特定の診療科目ではなく病院の総合力が問われる。同じ考えから、救急医療提供の体制整備は、熊本の“総合的医療力”が問われている問題でもある。(南里秀之)

 (熊本日日新聞2008年5月5日付朝刊)
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