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健診・保健指導プログラム(上) 生活習慣改善へ早期介入
医療制度改革の一環として、生活習慣病予防に重点を置いた健診と保健指導が来年4月に始まる。写真は熊本県総合保健センター=熊本市東町
  医療制度改革の一環で、二〇〇八年四月、生活習慣病予防に重点を置いた特定健康診査と特定保健指導が導入される。厚生労働省は「標準的な健診・保健指導プログラム」を作成、都道府県を通じて保健指導者の能力アップを目指す。

  熊本県では、県が医師や保健師、管理栄養士ら保健指導に携わる人を集めて七月九日から二日間、熊本市内で特定健診・保健指導に関する事務説明会を開催。厚労省の考え方を伝えるとともに、今後の事務手続きの進め方を報告する。

 一丁目一番地

 特定健診・特定保健指導制度は、各医療保険者(例えば国民健康保険なら市町村)に健診と保健指導を抱き合わせで義務付ける。受診者全員に、将来の脳卒中や心疾患につながるリスク(危険性)に基づき優先順位を付け、必要性に応じ保健指導をする。

  検診・保健指導には内臓脂肪型肥満症(メタボリック症候群)の概念を採り入れ、医師ら保健指導者が症状の早期に介入。食事や運動、睡眠といった生活習慣の改善を促す。

  厚労省は「生活習慣病対策が医療制度構造改革の一丁目一番地」(健康局生活習慣病対策室)と強調。糖尿病や高血圧症、肥満症などの生活習慣病の予備群、有病者、重症者(合併症や要介護状態など)の各段階でそれぞれ25%ずつ減らし、医療費の伸びを抑えるとしている。

  そのため大切なのは、健診受診者と直接触れる機会が多い保健指導者の底上げ。国立保健医療科学院(埼玉県和光市)のウェブサイトに保健指導者用の学習教材をそろえて、パソコンに自由に取り込めるようにした。

  七月九日の熊本市内の事務説明会には、同科学院の水嶋春朔・人材育成部長が講師として参加、健診・保健指導の企画や立案、評価、データ分析の方法などを解説する。

  その後、県と医療保険者でつくる県保険者協議会が九月から来年三月にかけて五回、計十日間の研修会を共同開催。生活習慣の見直しが必要な健診受診者を納得させ、生活パターンを改めるさせることができる保健指導者を一人でも多く育てるという。

 選定と階層化

 保健指導者は受診者の健診結果と質問項目を照合し、保健指導対象者の選定と階層化を迫られる。階層化は、言い換えると指導内容の濃淡。対象者への指導を、「情報提供」、「動機づけ支援」、「積極的支援」の三ランクに“格付け”。ランクに見合った指導をする。

  例えば積極的支援。専門職による継続的かつきめ細かな支援が必要な者を対象に、栄養摂取や運動などに関するプログラムを組み三カ月間以上支援。六カ月後に生活習慣の改善度を評価する。支援形態は、最初の面接後は、電話や電子メール、ファクスなどを使う。

  さらに保健指導者には診療報酬明細書など医療費データと健診データを突き合わせ、(1)疾病の発症予防や重症化予防の効果的・効率的対策の立案(2)どの疾病にどのくらい医療費がかかっているかの調査(3)高額な医療費の原因と予防可能な疾患なのかの調査と対策なども求めている。

  これらは、医療従事者が従来から配慮してきたことばかり。それを敢えて各都道府県に通知した「標準的な健診・保健指導のプログラム」に盛り込んだ厚労省。真の狙いは何か。「医療費カットのさらなる説得材料づくり」(熊本市の開業医)との見方が消えない。
 (熊本日日新聞2007年7月4日付夕刊)
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