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看護師が足りない!! 多い夜勤、医療の高度・複雑化…
熊本医療センター付属看護学校が昨年開いた「再教育研修」。受講者の看護師(右)が医療情報のパソコン入力などを学んだ=熊本市(同学校提供)
  全国的に看護師が不足している。夜間勤務の多さや、高度化、複雑化する医療への対応など、働く環境の厳しさから離職する人が絶えないからだ。新人看護師の定着を促進したり、子育てなどで離職した看護師の再就職を支援する取り組みが求められている。
(梅野智博)

 熊本市の武田由美さん(28)=仮名=が勤務する病院は二交代制。日勤は朝八時半から午後五時半まで、夜勤は午後四時半から翌朝九時半まで続く。夜勤が二日連続することもある。病棟のベッド数は約五十床。これを看護師一人と二人の介護補助者でカバーしている。「体がきつい。一晩中、休憩がとれないこともある」

  かつて三交代制の病院に勤務していたころは、夜勤明けに帰宅後、少し仮眠を取り、すぐに病院に戻っていたという。

 「7対1」導入

 医療の現場では治療技術が高度化。さらに安全性を高めるために、ひとつ一つの作業が煩雑になっている。特定医療法人芳和会本部(熊本市神水)の長谷川伊佐子看護部長は「新人の看護師が現場に入っても、求められる技術レベルの高さに戸惑って、怖がることも少なくない」と話す。日本看護協会によると、看護学校を卒業した看護師の約一割にあたる約二千五十人が一年以内に離職している。

  県によると、二〇〇六年末現在、県内で働く看護職員(保健師と助産師も含む)は二万八千二百五十六人。県が〇五年にまとめた「看護職員需給見通し」の必要数三万六百四十九人より約千八百人少ない。

  しかも、〇六年四月に診療報酬が改定され、入院患者七人に対して一人以上の看護師を配置した医療機関の入院基本料が二割ほど引き上げられた。そのため、看護師の募集数を増やす病院が続出。在京の大学病院長が看護師採用のため九州各地を巡回するなど、看護師の争奪戦もあった。

  熊本大医学部保健学科の宇佐美しおり教授は「七対一の看護師配置は、手厚い看護をするためにも必要。しかし、看護師の絶対数が少ない中で導入されたために混乱が起きた」と指摘する。

 「潜在」50万人超

 こうした中、結婚や子育てなどで離職したまま復帰していない「潜在看護師」の再雇用が注目されている。日本看護協会は、その数を五十万人以上と推定している。

  国立病院機構熊本医療センター付属看護学校(熊本市二の丸)は三年前から、潜在看護師を対象にした「再教育研修」を開き、職場復帰をサポートしている。

  夏休み期間中に一週間の日程で、安全管理、医薬品や保険制度の知識、医療機器の扱い方などを学び、実習も行う。今年は七月十六日に開講、今月二十九日まで受講生を受け付けている。

  熊本市の伊藤八千代さん(53)は〇五年に受講した後、同市内の産婦人科病院に就職した。「最初は緊張したが、やはり現場は楽しい。患者の立場や子育ても経験したので、妊婦や家族の気持ちがよく分かる。より確かなアドバイスや励ましができると思う」と再出発に自信を感じている。

 (熊本日日新聞2007年6月23日付朝刊)
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