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薬剤師の供給過多 コンビニなど“受け皿”に
供給過多とも言われる薬剤師。厚労省も検討会を設置し、薬剤師需給の将来動向を探っている。写真は熊本県薬剤師会が入る熊本県薬剤師会館=熊本市萩原町
  地方を中心に医師不足が深刻化する一方で、同じ医療に携わる薬剤師は供給過多がささやかれ始めた。厚生労働省も「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」(医薬食品局長の諮問機関)を設置、五月下旬に初会合を開き、薬剤師の今後の職場確保などを話し合った。

 厚労省が薬剤師の将来需給を初めて予測したのは二〇〇二年九月。薬剤師問題検討会を設置し、「薬剤師需給の予測について」という報告書を作成。この中で薬剤師の需給は「薬剤師数が需要数を常に上回ることから、今後薬剤師不足は生じることはない」と断じ、「薬剤師数と需要数の差が早ければ平成十八(〇六)年度以降、単調に増加する」とした。

 右肩上がり

 大学薬学部・薬科大学の総定員は一九八五年度以降、〇一年度まではほぼ横ばいだった。変化し始めるのが〇二年度。総定員が初めて八千人台に乗った。以降は右肩上がり。〇七年度の総定員は約一万三千人に上っている。〇六年度には高度な知識を持つ薬剤師を養成するため、薬学部は四年制から医学部並みの六年制に移行した。

 この間、総定員の伸びを支えたのが私立大の薬学部や私立薬科大。〇七年四月現在、国公私立合わせて七十二校に増加、一九八五年度から〇二年度まで続いた四十六校体制の一・六倍になった。

 一方、薬剤師の国家試験の合格率は一九八五年度以降、75%台〜84%台の間で推移している。今後もこの率が変化しないと仮定すれば、毎年一万人近い薬剤師が生まれてくる。

 定員割れ

 厚労省検討会の初会合では、少子化傾向を念頭に、私立薬科大の理事長が「全国の私立薬科大五十五校に限ると、五校のうち一校は定員割れを起こしている。いまや薬学部はあまり魅力的に映っていない」と発言。日本薬剤師会の役員は「将来的に薬剤師の質が低下し社会問題化しかねない。そうならないよう薬科大側で協議していただきたい」と注文を付けた。

 薬剤師、中でも調剤薬局薬剤師の需要を左右する要因の一つが医薬分業率。厚労省などの調べでは、分業率は〇三年、全国平均51・6%と初めて50%を超え、以降も続伸している。ただ医薬分業で院内処方から院外処方になり、診療報酬(医療費)のアップにつながっている。例えば、月一回受診で二〜三種類の内服薬をもらう場合、院内処方と院外処方では医療費が千円程度違う。さらに七十五歳以上の高齢者の健康保険を独立させる後期高齢者医療保険制度の創設などを織り込むと、分業率の大幅増は望めないという見方が支配的。高齢者への長期処方が増えて、処方せんの枚数が減ると予想されるためだ。事実、〇四年以降、分業率は横ばい気味になっている。

 登録販売者

 半面、コンビニなどが一般用医薬品(大衆薬)を扱えるようになり、薬剤師の新たな活躍の場もひらけている。〇六年六月の薬事法改正によって大衆薬を扱うコンビニなどは「店舗販売業者」として都道府県知事の許可を得て、登録販売者という資格を持った人を置く義務を負う。

 登録販売者は原則、都道府県知事が実施する試験の合格者に限られるため、薬剤師の有望な“受け皿”になるとみられる。ただ登録販売者が実際に登場するのは〇九年度以降。現在、試験を実施するためのガイドライン作成の検討段階で、先行き不透明な部分もある。


 (熊本日日新聞2007年6月20日付夕刊メディカル)
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