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| がん対策推進協議会 喫煙率目標明記に“外圧”
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厚生労働省のがん対策推進協議会(会長・垣添忠生国立がんセンター名誉総長)が七日、七十五歳未満のがん患者の死亡率を、今後十年間に20%減少させる数値目標を設定、国のがん対策推進基本計画に盛り込むことで一致した。
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| 巨大なJTビルに入る日本たばこ産業は喫煙者率引き下げの数値目標設定に猛反対。手前はKKR虎ノ門病院の健康管理センター。いずれも財務省の管轄=港区虎ノ門1丁目
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基本計画に数値目標を明記することによって、国や都道府県、国民、医療機関など、各自が担うべきがん対策の役割を遂行させる狙いがあるとみられる。
■“捕らぬタヌキ”
厚労省の統計資料などによると、七十五歳未満のがんによる死亡率は一九九〇年以降二〇〇五年まで、毎年約1%ずつ減少している。協議会は、この減少傾向と、がん検診の受診率を50%に倍増させる、喫煙率を半減させるなどを勘案すると、〇五年から十年間で20%の削減が可能と判断。数値目標として基本計画に入れることにした。
国立がんセンターの資料は、七十五歳未満を想定。喫煙率が半減すると、死亡率は1・6%減少すると予測。がん検診の受診率が50%に向上したら、がんの死亡率が3・9%低下するとみている。喫煙率のさらなる低下や、がん検診受診率のさらなるアップを見込むと、がん死亡率も一層の低下が期待できるとしている。“捕らぬタヌキの皮算用”的なのは否定できない。
このうち喫煙率をめぐっては、協議会の腰が定まらず、“外圧”に振り回されている。
四月十七日に開かれた前回の協議会は、成人男性43・3%、成人女性12・〇%という〇四年の喫煙率を半減させることで一致、がん対策推進基本計画に数値目標を盛り込む方針を申し合わせていた。ところが今回の協議会では、未成年者の喫煙率の議論に後退した。
■税収年2兆円以上
前回の協議会直後、日本たばこ産業(東京都港区)が、がん対策推進基本計画に喫煙者率の引き下げ率を数値目標として示すことに強く反対すると表明。柳澤伯夫・厚労相に反対意見書を提出し、真っ向から対決する姿勢を打ち出した。
この周辺状況が、今回の協議会の話し合いに大きな影響を与えたのは容易に想像できる。国、地方を問わない財政難の中、国税と地方税を合わせたタバコ税収が年間二兆円以上という事実は決して無視できない。日本たばこ産業は前身の日本専売公社時代から大蔵省(現財務省)が管轄し、厚労省は門外漢という“霞ケ関ルール”もある。
今のところ、喫煙者率の数値目標を国のがん対策基本計画に明記することは困難とみられている。ただ日本は〇五年二月に「タバコ規制枠組み条約(FCTC)」を発効、タバコをコントロールする国の仲間入りしている。禁煙派が国民を巻き込んだ形で再攻勢に転じることも、十分予想される。
さらに今回の協議会では、放射線治療や化学療法の専門医の養成、がん治療初期段階からの緩和ケアの必要性などが指摘された。
基本計画の策定は、がん対策基本法に基づく。計画作成に際しては、がん患者やがん治療の専門医などでつくる同協議会の意見を反映させるよう定められている。
厚労省は、協議会での議論とともに、ウェブサイトなどで公募する国民の意見も参考にして五月中に基本計画案を作成。参院選前の六月中に閣議決定する段取りを立てている。
(熊本日日新聞2007年5月16日付夕刊メディカル) |
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