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医療対策協議会(仮称) 医師の不足、偏在に対応
 医療制度改革の一環として、四月の改正医療法施行で都道府県に医療対策協議会(仮称)の設置が義務付けられる。深刻化する地方の医師不足や診療科でばらつきのある医師遍在への対応策を協議する。

都道府県に医療対策協議会(仮称)の設置が義務化され、へき地医療などを考える。写真は熊本市立熊本市民病院付属芳野診療所
 しかし地方圏の大半の道県は既に、医師など医療従事者の確保策に腐心しているものの、これといった”決め手”はないのが現状だ。

 “崩壊の危機”

 地域医療に携わる医師不足の深刻化は、二〇〇四年度に導入された臨床研修医制度の義務化とほぼ軌を一にしている。これに医局制度の廃止が拍車をかけ、地域医療は既に崩壊したか、崩壊寸前の危機に直面している。

 熊本県では、研修医制度義務化後の二〇〇三年十月、県医療審議会(知事の諮問機関)の答申に基づき、県や県医師会、熊本市の医療機関九施設の計十一団体が参加する「熊本県地域医師派遣制度等検討協議会」を設置。へき地や特定の診療科目の医師が不在になっている公立病院などに対する医師派遣制度の創設を話し合おうとした。

 ところが検討協議会が、開かれたのはわずか二回。研修医制度の義務化後は、熊本大付属病院を頂点とする熊本市内の大病院が、大都市圏の有名病院に研修医を吸い上げられ、医師確保が容易でなくなったのが背景にある。

 同総室は、休眠状態のこの組織を”蘇生”(そせい)させ、県医療対策協議会に衣替えするという。例えば、熊本県のへき地医療。同総室の調べでは、「へき地」を抱える十一市町村に十一カ所の診療所があるが、山都町、水俣市、芦北町、多良木町、水上村の五つの診療所は常勤医不在。残る産山村、阿蘇市、熊本市、八代市、上天草市、天草市の六カ所の診療所には、九年間のへき地勤務を義務付けられた自治医科大卒の医師が一人いる。

 「今の情勢なら、下手すると協議会では非常勤医の診療所を常勤医の診療所にする話より、常勤医のいる診療所をどう維持していくかの話になりかねませんね」。県健康福祉部の職員は、冗談交じりにそう話す。

 医学部に地域枠

 へき地の医師不足は熊本県が例外ではなく、むしろ恵まれている。北海道や東北地方の深刻さは、九州とは比較にならない。地元の国立大医学部の定員に地域枠を設けてもらい、地元出身者に限った選抜試験をしている。九州でも長崎や鹿児島は離島が多く、地元の長崎大病院や鹿児島大病院への依存度は高い。

 熊本県は当面の対策として、〇七年度当初予算案に五百万円計上。女性医師に対する就労支援や医師バンク制度の創設、県外大学の医学部進学者を臨床研修医として県内の病院で受け入れる、といった対応策を計画している。

 女性医師の就労支援は、子育て期間の勤務条件緩和や輪番制の夜間勤務からの除外―などの案が浮かんでいるという。医師バンク制度は、へき地や医師不在の診療科目のある医療機関と求職中の医師を「マッチング」させるシステムだ。これらの施策と並行し、同総室は対策協議会委員の人選や既存の類似委員会との審議内容の重複回避、開催時に扱うテーマなどの準備を進めている。

 「一人の医師が誕生するまでには最短八年かかる。今の案では即効性はないだろうが、何も手を打たないなら地域医療の担い手はいなくなってしまう」。同総室の職員は真顔で訴える。

  (熊本日日新聞2007年3月7日付夕刊メディカル)
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