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| 増える「薬物乱用頭痛」 鎮痛薬のみすぎ慢性に 風邪薬の連続服用も注意 |
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薬ものみすぎると毒になる。頭痛を治すために薬をのみすぎて慢性の頭痛になる「薬物乱用頭痛」が増えているという。普通の鎮痛薬だけでなく、鎮痛薬が入った市販の風邪薬でも連続して服用すれば起こるため、注意が必要だ。
■片頭痛患者の5%
「頭痛のために市販の痛み止めをのんでいるが、最近効かなくなってきたばかりか、頭痛が毎日起こるようになった」「毎日のように朝起きたときから頭痛がする」
こんな症状で一カ月に十五日以上頭痛が起こるなら「薬物乱用頭痛」の可能性がある。ところが医師や薬剤師でも、この病気の存在を知らない人が少なくないらしい。
頭痛治療に詳しい間中病院(神奈川県小田原市)の間中信也院長によると、日本では一九八〇年ごろから、痛み止めをのむと、かえって頭痛がこじれるという事例が指摘されるようになった。
二〇〇一年に片頭痛の特効薬トリプタンが発売されてから、薬物乱用頭痛の患者が顕在化。間中院長は「全国に八百四十万人いると推定される片頭痛患者の5%前後ではないか」とみる。
■脳で感受性上昇
薬物乱用頭痛は、頭がズキンズキンと痛む「片頭痛」と、重苦しく締め付けられるように痛む「緊張型頭痛」の両方がある人に多い。
片頭痛は月に一、二回の頻度で発作的に起こり、最大三日ほど続く。一方、ストレスなどが原因で起こる緊張型頭痛は頻度がさまざまで、痛みはだらだら持続する。
このため、つい薬をのみすぎてしまう。すると脳で痛みに対する感受性が上昇し、いくら薬をのんでも頭痛がとまらなくなると考えられている。
熊本市立熊本市民病院の橋本洋一郎神経内科部長によると、片頭痛だけの人も、薬物乱用頭痛になることがあるそうだ。
「片頭痛はとてもつらいのに周囲に理解してもらえず、迷惑をかけまいとして、痛くなる前に痛み止めをのむことを繰り返してしまう。片頭痛は現在、予防薬などで治せるので、専門医の治療を受けてほしい」
■月10日以上は赤信号
どの程度の服用で薬物乱用頭痛になるかの目安は薬によって違う。間中院長は「簡単な目安として、月十日以上服用する場合は可能性があると考えてほしい」と語る。
原因になる薬としては普通の鎮痛薬のほか、片頭痛の治療薬であるトリプタン系薬剤とエルゴタミン製剤、さらに数種類の薬が混ざった市販の頭痛治療薬などがある。
病院で処方されたり薬局で買ったりする「風邪薬」の連続服用にも気を付ける必要がある。成分としてコデインやアセトアミノフェン、カフェインといった鎮痛薬が入っているからだ。
薬物乱用頭痛になった場合、薬をやめれば元に戻る。「一〜二週間は頭痛がひどくなるが、その後は頭痛が減ってくる。気持ちを切り替えることができれば、離脱はそれほど難しくありません」(間中院長)
不安やうつがベースにある患者の中には、気を紛らわせるために薬を乱用する人もいる。このため、いったん離脱しても四割は再び薬物乱用頭痛になってしまうという。
(熊本日日新聞2008年4月19日付朝刊)
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