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高血圧症やぜんそく治療薬 注目される医療用配合剤
一つの薬に複数の有効成分 飲み忘れや服用ミス防ぐ |
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最近、高血圧症やぜんそくの治療薬として「配合剤」と呼ばれる薬が相次いで発売され、注目を集めている。一つの薬に複数の有効成分が含まれるもので、患者にとっては薬の数を減らし、飲み忘れや服用ミスを防ぐなどの利点がある。
これまでも総合感冒薬など医師の処方がいらない一般用医薬品には多くの配合剤があったが、医療用では限られていた。発売が続いた背景には、配合剤の承認に当たり「患者の利便性」を重視するようになった国の姿勢の変化があるという。
■治療変える薬
午後八時半、最後の患者が会計を済ませ、ようやく長い一日の診療が終わった。オフィスビルが立ち並ぶ東京・西新橋の一角にある佐野虎ノ門クリニック。毎日六十〜七十人の患者が訪れ、その大半が、ぜんそくや、せきぜんそくの患者だ。
「現在、新規の患者には九割方、アドエアを処方している。効力が強いし、吸入指導も一回で済み簡単。日本のぜんそく治療を変える薬だと思う」と佐野靖之院長。
アドエアは昨年六月に発売された。気道の炎症を抑えるステロイド薬と、気管支を広げる長時間作用性β2刺激薬の粉末が配合され、患者は専用の器具で吸入する。
従来、ぜんそくの患者は平均三、四剤を処方されており、服用が煩雑だった。アドエアなら一剤で簡便に症状をコントロールできるという。
■強力な効果
和歌山県立医大の一ノ瀬正和教授(内科学)によると、アドエアを初めて使った患者のアンケートでは、以前の治療薬と比べた効果について26%の人が「大変良い」、60%が「良い」と回答。25%が使用初日から、46%が二、三日以内に効果を実感したと答えた。
実は吸入タイプのステロイド薬は、ぜんそくをコントロールする上で最重要の薬とされながら、国内では普及が遅れている。理由の一つが、効果を早期に実感できないことだった。「β2刺激薬の配合で、すぐに効果を感じられる。普及のきっかけになるかも」と一ノ瀬教授は期待する。
一方、高血圧症では二〇〇六十二月、アンジオテンシン2受容体拮抗(きっこう)薬と利尿薬を配合した降圧剤のプレミネント錠が発売され、従来の治療薬に比べはるかに強力な血圧降下作用が話題になった。
■要件を緩和
配合剤は(1)副作用の原因成分が分かりにくい(2)配合が一定比率で微妙なさじ加減が必要な患者には向かない、といった問題も指摘される。しかし、既に欧米では多くの医療用配合剤が使われ、市場は拡大している。
医薬産業政策研究所の前主任研究員、池田隆文さんによると、〇一年以降、日本で承認された配合剤は今回の二つを含め七品目。全承認品目の約3%で、米国の約9%とは開きがある。
最大の原因は、複数の成分による相乗効果や副作用軽減を重視した厳しい承認要件にあった。ところが〇五年三月、厚生労働省が「患者の利便性向上に明らかに役立つもの」も認める通知を出し、開発のハードルが下がった。
「患者の立場で考える状況に変わった。今後も慢性疾患を中心に配合剤が出てくるだろう」と池田さんは予想している。
(熊本日日新聞2008年1月19日付朝刊)
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