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日本版CU制度 副作用や責任問題など課題
 厚生労働省の「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」が、代替治療法のない重い病気などに限って国内(域内)未承認医薬品の使用を特例的に認めている、米国やEUの「コンパッショネート・ユース(CU)制度(人道的使用)」の“日本版”を創設することで一致した。

 日本でも薬事法に基づく厚労相の販売承認を得ていない医薬品を、医師が個人責任として輸入、患者に使用することは認められている。しかし製薬会社による輸入品に比べると、数量や品質の確保などで限界があるとされている。

 増える個人輸入

 ただ日本では医薬品の販売承認までの審査期間が長くかかりすぎ、海外では既に標準治療薬となっているような医薬品が使えないという「ドラッグ・ラグ」が問題になっている。このため医師による国内未承認薬の個人輸入は年々増加し、既に一万件を超えている。

 検討会の方向性を踏まえて、厚労省は薬事法など現行の法体系との擦り合わせを急ぐとともに、未承認薬の使用に関するルールづくりに着手。重篤な病気で代替治療法がない患者、緊急に救命が必要な患者、まれな病気の患者といった例外に限って限定使用を認める検討を始めている。

 また薬剤の安定供給や品質確保といった観点から、製薬会社にも一定の条件付きで限定的な輸入販売を容認する方向で検討を進めるという。

 国内未承認薬の使用では〇五年一月、厚労省が「未承認薬使用問題検討会議」を設置。以来、今年四月までにムコ多糖症治療薬など三十五種類の医薬品の早期承認を協議。現在、八種類が承認済み、十一種類が審査中か承認申請準備中、五種類が治験中、残る十一種類が治験前の段階となっている。

 安全性確認試験

 本来、承認申請に必要な治験を終えた医薬品のうち、検討会議の協議を踏まえ必要なら追加的に「安全性確認試験」を治験として実施する仕組みだが、それでも二年間以上過ぎて承認は十種類にも届かない。

 さらに医師の個人輸入に対する取り組みでは、国内外での健康被害の発生など特に注意が必要な未承認薬は、厚労省はウェブサイトでリストを公表、数量にかかわらず薬事法と関税法に基づく証明(薬関証明)の取得を求めている。

 中でも大きな薬禍被害の原因薬になったサリドマイド剤は、厚労省の事業として日本臨床血液学会が「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適性使用ガイドライン」を作成。サリドマイドを個人輸入する医師に対し、薬関証明を発給する際に同ガイドラインの順守などを徹底している。またマラリアなど熱帯病の治療薬も国内の使用は限定的だが、公衆衛生面から不可欠な医薬品のため、医師が集団で一括輸入して治療に使う例もある。

 今後、検討会は「日本版CU制度」の導入に向けた報告書づくりに入る。ただ限定的に使える未承認薬の範囲をどこまでにするか。さらに副作用による被害者救済の方法ひとつ取っても、国がどこまで責任を負うべきか、など詰める課題は少なくない。

 医師が患者へのインフォームド・コンセントを十分果たすため、未承認医薬品に関する副作用などの情報提供体制をどう構築するか。報告書の内容は多岐にわたるとみられる。



(くまにちコム「健康・医療」2007年6月27日付)
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