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| 特定健診にCOPDを タバコ病、医療費抑制へ
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医療費抑制の一環で、四月に導入される特定健康診査(特定健診)の健診項目に「肺の生活習慣病」といわれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の追加を厚生労働省に求める動きが始まっている。
旗振り役の一人である久留米大病院(久留米市)の相澤久道・第一内科教授(呼吸器)によると、日本呼吸器学会、日本人間ドック学会、結核予防協会の三団体が提言書を作成。〇九年四月からの追加を目指し、三団体合同で五月末までに厚労省に提出する。
■“安上がり”の手段
COPDは、肺胞の壁が壊れて呼吸困難になる肺気腫と気道の粘液が過剰分泌され痰とせきが多くなる慢性気管支炎の総称。日本人は肺気腫の患者が圧倒的に多いが、順天堂大医学部の福地義之助・客員教授が英語四文字のAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)が短期間で普及したことに着目。双方の病態を英語四文字のCOPDで表し、病気の啓発を狙ったという。
特定健診の健診項目への追加も、COPDの病態を広める目的がある。相澤教授は「特定健診の健診項目に入ると、全国の保健所などで啓発活動がやりやすくなる」と話す。ただ特定健診は「費用をかけず生活習慣病を減らし、医療費を削減する」という方針があり、追加してもらうにはカネのかからない方法を工夫するのが当面の課題になっている。
既に決まっている健診項目のうち腹囲測定と血圧測定は、メジャー(巻き尺)と血圧計があればできる。血液検査も血糖値、脂質、肝機能と最小限に抑えている。これに匹敵する“安上がり”の手段として、相澤教授らが考えているのはプライマリーケア医(開業医)向けの国際的な慢性気道疾患診断・治療ガイドラインの「COPD質問票」の準用だ。
この質問票を一次スクリーニング(選別)に使う。得点が二十点以上の健診者に絞って、最初の一秒間に吐き出す息の量(一秒量)を測定するスパイロメトリーで二次スクリーニングし判定する。気道が狭まっていると一秒量が減少するため、COPD診断には欠かせない。
■早い人で40歳過ぎ
COPDは別名「タバコ病」とも呼ばれ、喫煙との密接な関係が指摘されている。喫煙という生活習慣が、肺の病気の主因になる。相澤教授は指摘する。「COPDが進行した患者は在宅酸素が必要になり、生活の質が低下する。しかも治療費がかさみ、医療経済的な損失が大きい。国はタバコを売って入る税収に目を奪われ、喫煙で病気になった患者の治療に投じる医療費との見合いを考えていない」
相澤教授によると、喫煙者の五人中一人、少なくとも六人中一人は必ずCOPDを発症する。喫煙開始年齢が二十歳なら、早い人で四十歳過ぎ、通常は六十歳前後で発症するという。ただ肺が成長段階の低年齢の児童が喫煙した場合、どういう影響が現れるか、まだ分かっていない。
現行の特定健診の目玉は腹部に脂肪が蓄積するメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の選別。診断基準は腹囲(男85センチ、女90センチ)と、血中の脂質、血圧、空腹時血糖の三項目のうち二項目以上の異常で判定する。ところが腹囲は、国際糖尿病連合の基準に比べ、「男性に厳しすぎる半面、女性に甘すぎる」と異論が続出、早くも見直しが検討されている。
「エビデンスがあやふやなメタボより、COPDを健診項目にした方がよほど医療費抑制につながる」。相澤教授は強調している。
(熊本日日新聞2008年2月6日付夕刊メディカル)
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