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| 医療保険と禁煙指導 治療の3人に1人が成功 |
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二〇〇六年四月の診療報酬改定で、新しく診療報酬の対象になった治療や制度改正の効果を、中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬改定結果検証部会がまとめた。税金を一部使った禁煙治療(指導)の結果が注目を集めたが、治療に挑戦した喫煙者のほぼ三人に一人が禁煙に成功。まずまずの滑り出しだった。
日本は、世界保健機関(WHO)たばこ規制枠組み条約(FCTC)の締約国の一つ。七月、タイ・バンコクで開かれた締約国会議では、たばこ規制枠組み条約第八条(タバコの煙にさらされることからの保護)とそのガイドラインを、日本など参加百二十六カ国が満場一致で承認。一〇年二月までに、参加各国は速やかに実行すると申し合わせた。
■「政府の怠慢」
条約八条とガイドラインは、事実上の「受動喫煙防止条約」。公共の場所、職場、レストラン、交通機関など公共的な閉鎖空間での禁煙を求めている。喫煙者には“苦痛”になるが、NPO日本禁煙学会(東京都新宿区)は「受動喫煙防止条約の発効まで二年数カ月に迫っているのに、公共のスペースは全面禁煙になるという事実が、予想以上に国民に知らされていない。政府、厚労省の怠慢という以外にない」と指摘する。
禁煙治療は、喫煙を「ニコチン依存症」という病気と認定。治すための禁煙指導を「ニコチン依存症管理料」として、今年四月に診療報酬に組み入れた。六月には、それまで自由診療だった医療用禁煙補助剤「ニコチネル(通称ニコチンパッチ)」を、一定条件を満たす喫煙者に対する処方に限って医療保険の適用対象にした。
医療機関がニコチン依存症管理料を診療報酬として請求するには、禁煙治療の経験医が勤務している、病院の建物だけでなく敷地内も禁煙区域にしているといった施設基準を満たす必要がある。さらに禁煙指導や禁煙補助剤の処方が診療報酬支払いの対象になるには、一定の条件に合致する喫煙者の場合に限られる。
■適用条件の緩和を
中医協検証部会は、こんな制約下での禁煙治療の成績を、今年七月に調べた。調査対象の医療機関は、〇六年度の一次調査で有効回答が得られたニコチン依存症管理料算定医療機関の四百五十六施設で〇六年六月から二カ月間に治療(指導)を開始した全患者。二百七十九施設(有効回収率61・2%)の患者二千五百四十六人から回答が得られた。患者の52・0%は喫煙歴三十年以上、64・6%が一日の喫煙本数が二十〜四十本未満、22・9%は四十本以上という「ヘビースモーカー」だった。
調査結果によると、指導九カ月後(禁煙開始一年後)の状況は、指導回数が増えるほど禁煙率がアップした。管理料算定回数上限の十二週、五回目の指導終了者の禁煙率は45・7%。四回目中止者の禁煙率は40・7%、三回目中止者31・9%、二回目中止者22・2%、一回目中止者13・5%。一〜五回目の平均禁煙率は32・6%に上った。
日本に比べると禁煙治療を受けるまでの手間がかかり、禁煙補助剤の使用期間も短い英国の禁煙治療法は、一年間の継続禁煙率が平均17・7%。単純比較はできないものの、日本優位の数字といえそうだ。
次期診療報酬改定は来年四月。同時に始まる国挙げての生活習慣病対策も視野に入れ、禁煙治療の保険適用条件の緩和を望む声が広がっている。
(熊本日日新聞2007年11月21日付夕刊メディカル)
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