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受動喫煙が認知症のリスク増大
 自分は喫煙しなくても受動喫煙によって認知症のリスクが増大するという研究成果を、米カリフォルニア大バークレイ校のタデウス・ヘイト研究主任らが米国神経学会の年次総会で発表した。禁煙広報センター(東京都中央区)によると、受動喫煙と認知症の関連を指摘した世界初の調査という。

 ヘイト氏らは、認知症ではない65歳以上の3、602人の心臓血管の健康状況、喫煙の有無、認知症の発症状況を6年間追跡調査した。

 調査開始時点で心血管疾患と認知症の双方の症状がない非喫煙者は985人だったが、このうち受動喫煙していた495人(受動喫煙歴30年未満300人、30年以上195人)と、受動喫煙していない471人を比較した。その結果、受動喫煙率30年以上のグループは、受動喫煙していないグループよりも、認知症の発症率が約30%高かった。

 さらに脳に血液を供給する頚(けい)動脈の異常も判明した。受動喫煙に長年さらされて超音波画像診断で頚動脈の異常が検出された人は、受動喫煙をせずに頚動脈の異常もない人に比べて、認知症を発症させる確率が約2.5倍あった。

 ヘイト氏は「認知症を起こす影響のある他の要因を制御して分析を続けているが、受動喫煙が高齢者の認知症のリスク要因になる可能性を示唆した」としている。

 また慶応大医学部の藤澤大介医師(精神神経学)は「アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症という二大認知症で、喫煙がリスク要因であることは既に確立していた。受動喫煙が心血管系にもたらす悪影響も周知のこと。双方を考え合わせると、今回の研究報告は納得できる結果だ。今後は、受動喫煙していた人が、受動喫煙を止めてリスクが低下するか、既に認知症を発症している人が、受動喫煙の改善に伴い認知症の進行が緩和されるか、などが評価されることを期待したい」とコメントしている。(南里秀之)

(くまにちコム「健康・医療」2007年6月15日付)

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