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禁煙治療薬 経口剤が国内初登場へ
 厚生労働省が、禁煙治療薬を公的医療保険の適用にして半年が過ぎた。医療用市場は、パッチ薬一剤の独占状態が続いているが、11月中旬に開かれた米国心臓病協会で日本初の経口禁煙剤の臨床試験結果が報告され、強力なライバル登場を予感させた。

日本人喫煙者の禁煙に、バレニクリンは有効かつ安全という趣旨が書かれているポスター論文(ファイザー社提供)
 現在、国内で販売中の禁煙治療薬はノバルティスファーマ社のニコチンパッチ(商品名ニコチネルTTS)と武田薬品工業のニコチンガム(商品名ニコレット)。パッチは医師の処方が必要な医療用。ガムは処方が不要で、店頭で手に入る。

 喫煙者を「ニコチン依存症患者」として、たばこのニコチンをパッチやガムのニコチンに置き換えて体内に取り入れ、依存症を治していく。ニコチン置換法と呼ばれるが、パッチ剤の方がガムより強力。ただ治療に必要なパッチ56枚で約2万円という薬価がネックだった。

 ところが厚労省が6月、1日の喫煙本数と喫煙年数を掛けた数値が200以上などの要件を満たす喫煙者には医療保険の適用を承認。自己負担は薬価の3割で済むようになった。以降、パッチの販売数量は適用前の2・5倍になったという。

 この市場を狙っているのが、ファイザー社の経口薬バレニクリン(米国名チャンティックス)。ニコチン性アセチルコリン受容体に対し選択的に働き、禁煙に伴うニコチンの離脱症状とニコチンへの欲求を和らげる。

 日本では大阪府立健康科学センター(大阪市)の中村正和健康生活調査部長らのグループが臨床試験を実施した。対象はニコチン依存症と診断された喫煙者515人。バレニクリンの0・25ミリグラム投与群(128人)、0・5ミリグラム投与群(128人)、1ミリグラム投与群(130人)、偽薬投与群(129人)に分類。各自を1日2回、12週間投与した後、40週間経過観察した。

 その結果、9週〜12週の継続的な禁煙者の割合は、偽薬群の39・5%に対し、最高の1ミリグラム群65・4%、最低0・25ミリグラム群54・7%。偽薬との間で有意な差があった。

 ファイザー社はバレニクリンの製造販売を厚労省に申請済み。パッチ薬の禁煙有効率は52・3%。今後はバレニクリンの発売時期と薬価が注視される。

  (熊本日日新聞2006年12月6日付「夕刊メディカル」)

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