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ファイザーの経口禁煙薬 国内の臨床試験結果が公表
 日本人を対象にした経口禁煙治療薬バレニクリンの国内臨床試験の結果が、米シカゴで開かれていた米国心臓病協会(AHA)の年次総会で発表された。

 試験は、大阪府立健康科学センター(大阪市)の中村正和・健康生活推進部長らの研究グループが、喫煙者618人を対象に実施した。研究グループはまず、ニコチン依存症のスクリーニングテストによって515人をニコチン依存症と診断。この依存症の人たちを、バレニクリンの0・25mg投与群128人、0・5mg投与群128人、1mg投与群130人、偽薬投与群129人に無作為に割り振って、それぞれを1日2回、12週間投与した。

 その後、6回の来院と5回の電話による接触を含め40週間の経過を観察した。主要評価項目は、薬剤投与の最後の4週間に当たる第9〜12週の間にタバコを一服も吸わず、他のニコチン含有製品も使わない状態で禁煙を継続した者の割合とし、副次的評価項目は第9〜52週の継続的な禁煙者の割合とした。

 主要評価項目の第9〜12週の継続的な禁煙者の割合は、偽薬投与群の39・5%に対し、すべてのバレニクリン投与群が有意に高かった。最高は1mg投与群の65・4%。また0・5mg投与群と0・25mg投与群の継続的な禁煙者の割合は、それぞれ55・5%、54・7%だった。

 副次的評価項目では、偽薬群の第9〜52週の継続的な禁煙者の割合は23・3%、バレニクリン投与群では1mg群が34・6%、0・5mg群が28・9mg、0・25mg群が27・3%で、バレニクリンの効果に用量依存がみられ、1mg群は偽薬群より有意に高かった。主な副作用は吐き気、便秘、腹部上部の痛みなどだった。

 研究グループは「バレニクリンによる12週間の治療では、薬剤投与の最後の4週間及び40週間の経過観察終了後の継続的な禁煙率を用量依存的に改善した。臨床試験の結果は、禁煙のために開発された新しいタイプの禁煙治療薬バレニクリンが、ニコチン依存症の日本人喫煙者に対して有効かつ安全な治療法であることを示した」と結論付けている。

 バレニクリンは、脳内でニコチンと同じアセチルコリン受容体の部位に作用する機序を持っており、禁煙に伴うニコチンの禁断症状を和らげるとともに、ニコチンに対する欲求を抑えるという。米ファイザー社が開発し、米国では「チャンティックス」、EUでは「チャンピックス」の商品名で販売している。日本では6月、日本法人が厚労省に輸入販売の承認申請済み。

 現在、日本で販売されている医療用の禁煙治療薬はノバルティスファーマ社のニコチンパッチ(商品名ニコチネルTTS)のみ。バッチを上腕や腹部などに貼ることによって、皮膚からニコチンを体内に吸収し禁煙に伴う禁断症状を抑制する。大、中、小の3サイズのパッチを計56枚使い、8週間投与する。禁煙治療薬では唯一、公的医療保険の適用が認められている。厚労省に承認申請した際のデータでは、完全禁煙と禁煙を合わせた有効率は52・3%だった。(南里秀之)

 (くまにちコム「健康・医療」2006年12月1日付)

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