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| 子どもの発熱、慌てずに 「熱」より「脱水」ご用心 |
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冬場はインフルエンザの流行期。小さな子どもはまれに急性脳症に発展する場合があり、発熱には親も過敏になりがちだ。熊本市民病院の入部兼繁・首席診療部長(小児科)に発熱の仕組みや対処法、脳症などについて聞いた。
高熱を引き起こすインフルエンザは、まだ県内での流行の兆しはないが、例年これから3月初めごろまでがシーズン。「3年前から使い始めた治療薬はかなり有効。ただしウイルスの増殖を抑える仕組みなので、発症から48時間以内に飲まないと効果が期待できない。簡単な検査で迅速な診断が可能。今年は子ども用のドライシロップタイプも用意されているので、早めに病院に」と呼び掛ける。
子どもの場合、急性脳症は死亡につながることがあり怖いが、一般的には発熱しても慌てずに対応することが肝心だ。「熊本は日本脳炎の発生が多かったこともあるのでしょうか、おばあちゃん世代が『熱が出ると脳がどうにかなる』と、子どもの高熱に対して過剰に反応されるようです」と入部医師。「しかし発熱自体で脳障害が起きることはまずありません。熱が出るのは、外からの病原体に対する防衛反応。むやみに下げようとするのは感心しません」
それでも、子どもの体温が38度5分以上で食欲や元気がない場合は、「気分を良くする状態をつくってあげる」ために、氷まくらや保冷剤を使うことを勧める。「少し嫌がるかもしれませんが、大きな動脈が走っているわきの下や足の付け根が効果的です」
解熱剤は脳症との関連が報告されていることもあり、子どもの場合は医師の処方以外は使わない。「病院からもらったからといって大人の解熱剤を半分にしたりして与えるのは厳禁。市販の風邪薬も使わない方が無難でしょう」。子どもへの解熱剤の処方はアセトアミノフェンが一般的という。
「むしろ熱より脱水のほうが要注意」。熱が高いと皮膚からの水分発散が多くなるため、お茶やさ湯などで補うよう心掛ける。「ごはんを食べなくても、水だけは飲ませて」と強調する。
急に熱が上がると引きつけやけいれんを起こすケースもあるが、「大半は2、3分で収まります。落ち着いて対応して」。顔を横に向けるのが基本。「子どもは大人と違って舌をかみ切ることはない。口の中にものを入れて、窒息する危険性の方が高い」。けいれんは「多くは体質的なもの」なので、一度起こしたらその後も繰り返すことが多い。「けいれん止めの薬もあるので、心配ならかかりつけ医に相談を」
熱だけで過剰に心配することはなさそうだが、次のような場合は要注意。緊急に措置が必要なので、すぐ病院に連れていく。
| ○頭痛、吐き気や嘔吐(おうと)、または下痢がひどく、水分がとれずぐったりしている |
| ○せきがひどく呼吸がうまくできない |
| ○呼び掛けても返事がなく、もうろうとしてぼーっとしている |
| ○言動や意識がおかしい |
| ○熱が40度以上あるのに手足が冷たく震えが止まらない |
| ○15分以上けいれんが続く |
●脳症・脳炎、過去2年間の死亡率15%
インフルエンザの合併症で起こる脳症・脳炎について、厚生労働省の研究班が今年3月に「手引き」を作成した。1998(平成10)〜99年のシーズン以降の全国調査によると、年間100〜300人の子どもがかかり、死亡率が約30%で後遺症は約25%。過去2年間の死亡率は治療の研究が進んだこともあって15%に減少している。
A香港型の流行時に多発。大人や中・高校生の発症もあるが、1歳児をピークに六歳以下の乳幼児に多い。主な症状は、けいれん、意識障害、異常行動。発熱から数時間〜1日と、症状が出るまでの期間が短い。インフルエンザ・脳症の会「小さないのち」が異常行動を実態調査。兆候として、動物やポケモンなどのアニメキャラクターがやって来るなどの幻視・幻聴、突然意味不明な言葉をしゃべる、理由もなく過度におびえる、母親が近くにいるのに探し回る、目の焦点が定まらない―などがあったという。
(熊本日日新聞2004年1月8日付朝刊くらし面) |
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