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| はしかの予防接種率が上昇 発症防止には2回目の接種も |
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麻疹(ましん)。別名「はしか」は毎春、流行を繰り返す。厚生労働省の推計では、日本では年間十万人規模の患者発生という。麻疹ワクチンを未接種のまま成長、海外旅行中に現地で発生する日本人もおり、「日本は麻疹の輸出国」と不名誉な指摘も受けている。
このため厚生労働省は二〇〇一年、最も発症する一歳児への予防接種を勧めるキャンペーンを開始、小児へのワクチン接種率も全国平均で80%に達した。ただ幼児期に未接種だったり、一回で免疫ができなかった子供を念頭に、二回目の予防接種をする制度を考慮すべきとも指摘されている。
■誕生日プレゼント
厚生労働省の調査では、〇〇年度の一歳児の予防接種率は50%にすぎなかった。このため〇一年に、「はしかワクチンを一歳の誕生日のプレゼントにしましょう」というキャンペーンをスタート。国立感染症研究所感染症情報センターの多屋馨子室長は「〇二年度は78%までアップした」。
一方、感染症情報センターによると、免疫ができた指標となる抗体は、〇一年度は一歳児で44%だったが、一年後は73%に上昇。患者数も、〇三年は〇一年の四分の一に減った。
地域全体ではしかを抑え込むには、95%以上の予防接種率の達成が必要とされ、麻疹の流行そのものをコントロールできる段階に近づいている。予防接種の機会を増やすことが鍵となるが、保護者からは「当日に予約できる体制」を望む声が最も多いとの調査結果が出ている。
■地域間で温度差
ただ取り組みには、地域間で温度差がある。大流行を経験した地域では態勢づくりが熱心だ。富樫武弘・市立札幌病院長によると、〇二年度の北海道の平均接種率は一歳半で83%、三歳で94%。ところが、札幌市はそれぞれ87%、96%と高率だ。検診の際、一歳の誕生日のカレンダーに張る「はしかワクチンシール」を配るなどの方法を進めた結果という。
世界保健機関(WHO)は、流行状況に応じて、各国を「制圧期」「集団発生予防期」「排除期」に分類、死者、患者の減少を目指している。年間患者が約百人の米国など世界の百カ国以上は最終段階の排除期。米国では小学校入学時に予防接種した証明書が必要で、事実上義務化されたため、接種率は95%以上。はしかをほぼ抑え込むことに成功した。
日本は年間数万人の患者、数十人の死者が発生し、患者発生や死者の減少を目指す「制圧期」と分類されている。
■徐々に下がる免疫
厚生労働省のキャンペーンは一定の効果を上げているが、各地で集団発生が後を絶たず、大人の感染も多い。宮崎県の小中学校で〇三年三〜七月に起きた集団発生では、感染した約四百人のうち三分の二が未接種者だった。日本小児科学会が昨年実施した調査では、全国の大学病院で卒業後の研修ではしかにかかった学生が七十九校中十五校にいた。鹿児島大では昨年六月、医学部の学生らに約六十人の患者が発生した。
岡部信彦・感染症情報センター長は「以前は予防接種は一生免疫が続くとされていた。しかし、免疫は徐々に下がり、予防接種で免疫ができない人もおり、接種者や大人がはしかにかかることも少なくない」と指摘。免疫増強効果も含め、予防接種を二回する制度が有効ではないかという。
ワクチンによる副作用は年間数十件報告されており、因果関係は不明だ。岡部センター長は「以前は保存用に使っていたゼラチンによるアレルギーショックがあったが、現在はゼラチンは使っていない。重症の副作用は少ないとはいえ注意しなければならない。しかし、はしか発症の犠牲は、はるかに大きい」と言っている。
(熊本日日新聞2004年4月21日付夕刊) |
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