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NICU病床数依然不足 満床で県外搬送も
NICU病床数が増床された福田病院の新生児センター=熊本市新町
 地域周産期母子医療センターに認定されている福田病院(熊本市新町、福田稠理事長)は、出生時の体重が極めて軽い新生児を治療する新生児集中治療室(NICU)の病床数を従来の九床から十二床に増やし、四月から稼働を始めた。これで県内のNICU病床は三十三床になったが、県の整備目標(二〇一二年度)は三十八床。他病院の増床・新設計画は具体化しておらず、病床数の拡充が課題となっている。

 NICUは、極低出生体重児や先天性の障害などで集中治療・管理を必要とする新生児のための施設。県内には、同病院の他、県が指定する総合周産期母子医療センターがある熊本市民病院(同市湖東)に十五床、熊本大付属病院(同市本荘)に六床ある。

 福田病院新生児センターは、前身の「熊本新生児病院」が〇三年十一月にNICU六床で開院。その後、病院合併で福田病院の施設となり、〇六年一月には九床。四月の増床で、後方病床(GCU)二十九床を含め四十一床ある。年間六百人の新生児を受け入れ、うち五十人は千五百グラム以下の極低出生体重児。〇六年九月に生まれた四百二十グラム台の新生児も無事、退院している。

 増床と同時に鹿児島市立病院総合周産期母子医療センターから同センター長に就任した丸山英樹医師(41)は「これまでもNICUで診るべきところを満床のため、GCUの活用でカバーしてきた」という。診療報酬の加算が認められるNICU整備にはスタッフ数など厳しい条件があり、同病院も看護師を七人増員した。

 県健康づくり推進課によると、妊婦が県外の医療施設に搬送されたのは〇五年に二十七件。その後の調査はないが、満床で県外に母体を搬送するケースは同病院でも続いており、医療関係者からは「県外搬送は減っていない」との声もある。

 県は医療機関に体制整備を求めているが、熊本大病院は昨年三床から六床に増床したばかり。市民病院も一時、NICUの増床計画はあったものの具体化していない。

 さらに五床増やして県の整備目標に達しても、「ベッド数はまだ足りないのではないか」(丸山医師)との見方もある。年間出生数が一万六千人と、県内と変わらない鹿児島県では五十四床のNICUがある。

 県内の周産期死亡率は〇六年度が4・6%。県は全国平均の4・7%以下の維持を目標にしている。そのためにはNICUをはじめ、安心して子どもを産み育てることができる体制の確立を急ぐ必要がある。(田端美華)

(熊本日日新聞2008年5月4日付朝刊)
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