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バイエルのコージネイト製剤の定期補充療法が、小児血友病Aの関節障害を予防
 米臨床医学雑誌『ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン』は、重症型血友病Aの小児を対象に、遺伝子組み換え型血液凝固第[因子製剤を定期的に注射する「定期補充療法」と、出血時に止血のため注射する「出血時補充療法」を比較した結果、6歳時点で関節が正常な血友病A小児の割合は、定期補充療法群93%、出血時補充療法群%で、定期補充療法が乳幼児期の関節内出血による関節障害の進行抑制に有効、という臨床試験の結果を掲載した。

 臨床試験は、全米15カ所の血友病治療センターで5年間続けられた。生後6カ月から30カ月までの血友病Aの男児患者が参加。血液凝固第[因子製剤を1日間隔で25単位/s定期補充される群(32人)と、関節内出血が起こる度に合計80単位/sを最低量として出血時に補充される群(33人)に分類し、子供たちが6歳になるまで続けた。 その間、障害を起こしやすい肘(ひじ)や膝(ひざ)、足首の骨と軟骨の損傷を、エックス線とMRI(磁気共鳴画像診断装置)を使って評価。関節の機能や内出血の回数、製剤使用量も調べた。

 試験の結果は、定期補充療法群の子供たちは、出血時補充療法群よりも、1年間の関節内出血の回数が0.63%対4.89%と有意に少なかった。年間の総出血回数も3.27回対17.69回と明らかな有意差があった。

 6歳時にMRIを使って評価したところ、正常な関節を維持している割合は、定期補充療法群93%、出血時補充療法群55%だった。これは、早い時期から定期補充療法を試みることで関節障害のリスクを84%減少させることができるのを意味するという。治験責任医師のテキサス医科大ヒューストン校のキース・フーツ教授(小児血友病部門長)は「試験結果は、重症型血友病の小児が同一関節内で出血を繰り返す前に定期補充療法を始めることの大切さを示している」と指摘している。

 また試験に参加した子供たちのうち、関節の顕在性出血の繰り返しがない、あるいは、少ないにもかかわらず関節障害が認められたグループがいた。キース氏らは「無症状で気づかずに起こる出血が、関節障害の進行に関係していることを示唆した。定期補充療法で予防も可能と考えられる」と言っている。

 MRIを使って関節障害の初期兆候を診断した結果、5歳か6歳くらいまでに出血時補充療法群の子供たちに多くの重度関節障害や軟骨障害の症例が観察されたという。
 
  試験の研究費は、米国疾病管理予防センターと米国国立衛生研究所が負担。試験期間中、子供たちに投与した遺伝子組み換え型血液凝固第[因子製剤「コージネイトFS」の1、700万単位は、独バイエルヘルスケア社が贈呈した。

  コージネイト製剤は、欧州では血友病Aの出血予防のため使えるが、米国では予防目的には使えない。有害事象で報告が最も多いのは注射部位の皮膚反応。マウスやハムスターのタンパクに過敏な子供は使用を避けた方がいい。(南里秀之)

(くまにちコム「健康・医療」2007年8月13日付)
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