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「ADHD克服できない」 欧米より強い親の不安
 発達障害の一つで、注意力や落ち着きのなさを自分でコントロールできない「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の子どもを持つ日本の親は、欧米などの親に比べて強いストレスや不安を抱えていることが製薬会社「日本イーライリリー」の調査で分かった。

  背景には、この疾患に対する社会の理解や支援の不足があると専門家は指摘している。

  調査は二〇〇四年から〇七年にかけて、日本、北米、欧州、オーストラリアの十カ国で、ADHDの子を持つ親計約千人を対象に電話で行った。

  「治療によりADHDを克服できる」と期待を抱いている人の割合は、北米で69%、欧州で46%、オーストラリアで38%だったが、日本ではわずか24%にとどまった。

  現在受けている治療について「家族が受けるプレッシャーが軽減されている」と思う人は、十カ国平均が76%だったのに日本は45%。「ほかの子とうまくやっていくのに役立っている」という人も全体の72%に対し、44%と大きく下回り、治療への満足度が低かった。

  一方「ADHDのため就職しても仕事がうまくいかないのではないかと心配」と訴える人は日本では84%で、日本を除く九カ国平均の68%を上回った。「子どもの障害でしばしばストレスを感じる、または不安になる」という人も82%に上り、他国の平均72%に比べ高率だった。

  調査を監修した北海道大大学院の田中康雄教授(精神神経科学)は「日本ではADHDを診断できる専門医が不足し、承認された治療薬もない。社会全体が障害を正しく理解し、治療環境を十分に整えるなど、総合的な支援体制の確立が求められる」と話している。

(熊本日日新聞2007年8月4日付朝刊くらし面)
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