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発達障害に理解を 特別支援教育4月から開始
 自閉症やアスペルガー症候群、学習障害など発達障害がある人を支援する発達障害者支援法が施行されて二年。しかし、社会の理解は低く、いまだに「親のしつけの問題」と誤解されるケースは少なくない。四月からは発達障害児を含む特別支援教育も全国で始まる。

県主催の「発達障害者支援セミナー」で講演する明石洋子さんと長男の徹之さん=県庁
 十一日の県庁地下大会議室。県主催の「発達障害者支援セミナー」には、学校関係者や発達障害児の保護者など関係者約四百人が出席した。

  講師は、知的障害のある自閉症の長男を支援しようと、地域支援センターの開設など三十年以上市民活動を続けている社会福祉法人あおぞら共生会副理事長の明石洋子さん=川崎市。

自立が目標

  明石さんはこれまでの子育てや市民活動を振り返りながら「障害を治すより地域での自立を目標にした」と発言。「地域が障害のある人たちを受け入れ、生きる場が確保されれば、決して不幸ではない」と強調した。

 自閉症児の子育てについては「発想を転換し、プラス思考になることが大切」と指摘。自閉症児が繰り返し行う「こだわり」を、逆に生活に上手に利用するなど、子育てのポイントを紹介した。

 文部科学省は二〇〇二(平成十四)年の調査で、小中学校の普通学級に発達障害のある児童が約6%いると推計している。しかし、発達障害特有の行動がいたずらや悪意と受け取られ、「近所にどなられ、何度か長男の首をしめそうになった」(明石さん)と、保護者の悩みは深刻だ。

支援強化

 一方、文科省は「特別支援教育」の充実に力を入れる。昨年六月に学校教育法等の一部を改正する法案が成立。特別支援教育が四月から正式に始まるほか、同省は〇七年度から二年間で発達障害のある子どもの支援強化のため、黒板の読み上げなど学習サポートなどを行う専門の支援員を現在の二・三倍に増員する方針を示している。

 特別支援教育では、養護学校が「特別支援学校」、特殊学級が「特別支援学級」になるほか、新たに学習障害や注意欠陥・多動性障害などの子どもたちが、通常学級に在籍しながら必要な支援が受けられる対象になる。

 県教委では、〇四年度から校内、外部機関との調整や保護者の相談窓口などとなる「特別支援教育コーディネーター」の養成研修を推進。県内の小中学校では支援を必要とする子どもらの共通理解を図る「校内委員会」も設置されている。

啓発に力点

 ただ課題もある。保護者や教員の理解、知識の度合いによって、連携がうまくいかないケースが想定されるためだ。発達障害者支援セミナーに参加した県北の養護教諭(38)は「軽度の発達障害の場合、障害の有無を理解するのは難しい。問題行動が障害によって起こるものなのかどうか、教師自身、悩む場合があり、保護者の理解も得にくい」と指摘する。

 県教委も「課題の一つは保護者への理解、啓発、連携」としており、今後もセミナーなどの開催で発達障害への理解を広めたいとしている。(田端美華)

 (熊本日日新聞2007年3月20日付朝刊)

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