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NICU入院児 不安抱える親“交流”
 NICU(新生児集中治療室)に入院した子どもの親が悩みや不安を相談し合える仲間との出会いの場をつくりたい。体重542グラムの男の子を出産した熊本市の母親が2年前に発足させた親の会「ガンバリッコ仲間」が、医療機関や行政とも連携しながら、その輪を広げている。

理学療法士を講師に招き子どもの発達について学ぶ「ガンバリッコ仲間」のメンバー=熊本市北保健福祉センター
 ガンバリッコ仲間をつくったのは林英美子さん(28)。きっかけは長男の太陽ちゃん(2つ)の出産だった。

 「週数22週6日、542グラム。24時間の命と言われた太陽が一日一日を積み重ねる中で、疑問や不安がたくさんあった。そんな時、頼りになったのは熊本市民病院のNICUで一緒だったお母さんたちでした」。NICUに入院中の2004年12月、会はスタートした。

 太陽ちゃんのように1500グラム未満で生まれた極低出生体重児は県内で04年に130人。難しい病気や障害を伴うこともあり、同じ状況の親同士が出会う機会は少ない。

 「希望するママを紹介する“出会い系”と思ってください」と林さん。入会時に子どもの名前や性別、出生週数、体重などを登録。「出生週数が近い」「出生時の体重が近い」「病気や障害が同じ」などの希望に応じて、管理者が該当する会員のメールアドレスを紹介する。

 「外出時に子どもの年齢を聞かれ、『ちっちゃいわね』と言われるたびに落ち込んだ」と林さん。しばらく自宅に引きこもっていた経験から、会からの連絡などはすべてメール。誰とも会いたくない、話したくないときも、メールなら邪魔にならないからだ。

 会員は現在約50人。会員の要望を受け、月1回の「集い」も開く。会場は市民病院産婦人科外来か市北保健福祉センターで、毎回十数組の親子が参加。小児科医や理学療法士らの講話を聞いたり、会員同士がおしゃべりしたりして約2時間を過ごす。

 また、子どもがNICUに入院する両親に読んでもらおうと「Nノート」を作成。会員一人一人が出産時の状況や心配なこと、うれしかったことなどとともに「わが子の生命力の強さを信じましょう」「たくさんのママ仲間がいるから一人で抱え込まないで」など、両親に向けたメッセージもつづっている。

 ガンバリッコ仲間の活動には、医師や保健師らも期待を寄せる。市民病院総合周産期母子医療センター新生児科の川瀬昭彦医師(38)は「医療機関の説明より、先輩お母さんの言葉の方が説得力がある」。市北保健福祉センターの保健師森山奈央子さん(27)は「同じ立場のお母さん同士にしか分からないこともある。訪問を受け入れてもらえないお母さんたちにガンバリッコ仲間を紹介して、私たちはその活動を支援していきたい」と話す。

 「子どもたちは本当にガンバリッコ。だけど、お母さんは絶対に頑張らないでほしい」と林さん。「一人一人が自分のペースや気持ちを大切にしながら前を向いて歩いてほしい。ガンバリッコ仲間での出会いが、そのきっかけになれば」と話している。(田川里美)

 ※ガンバリッコ仲間の問い合わせはメール(ganba@rshare.jp)で。「Nノート」は熊本市民病院のNICUと産婦人科外来で閲覧できる。

 (熊本日日新聞2006年11月21日付朝刊)

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