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| ◎インフルエンザ患者数 減少傾向に |
2006/02/09
朝刊 |
県健康危機管理課は8日、県内のインフルエンザ患者数が減少傾向に転じたことを明らかにした。年明けの1月2日を起点にして第3週までは増加していたが、第4―5週(1月23日―2月5日)から減少傾向を示した。同課は「減少後に再び増加した例はないので、峠は越えたとみている。昨年より下がるのが早いが、3月までは寒い時期が続くので、患者数が横ばいのまま維持する可能性もあり、注意は必要だ」としている。
同課によると、流行状況をチェックする定点の80医療機関の患者報告数は、第3週(1月16―22日)の2945人がピークとみられ、第4週は2698人、第5週は1804人まで減少した。2月5日現在の累計は1万2254人。
ピークとみられる第3週の1定点当たりの患者数平均36・81に対し、第5週は22・55。地区別では、人吉、菊池、八代の順に多い。警報レベル(30)を越えたのは、人吉地区の37・00だけ。(関淳人)
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| ◎インフルエンザ予防 1月も接種に助成を |
2006/01/20夕刊(01/21朝刊統合版) |
子ども3人にインフルエンザのワクチンの接種をさせようと、町内の病院に行きました。すると12月までは町からの助成で1人1000円で受けられていたんですが、1月からは助成がないと言われたんです。3人とも鼻炎などのアレルギーを抱えており、風邪もひいたりして、なかなか接種に行けませんでした。子どもなので2回は接種させたいのですが、3人とも実費で払うのは負担が大きいです。少子化対策が問題になっている現在、行政はきめ細やかな対応をしてほしいと思います。=菊池郡西合志町、塾講師・女、39
―西合志町健康増進係では「免疫ができるまでは約1カ月ほどかかります。そのためインフルエンザが流行する前、11月から12月の接種が望ましいため、年内までの接種と期間を区切っています。事前に広報でお知らせしていますので、今後は早めに接種されることをお願いします」と話しています。
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| ◎社説=新型流感対策 要は情報共有と監視強化 |
2006/01/14
朝刊 |
東アジアや東南アジア諸国(ASEAN)など22カ国の政府関係者らが参加した新型インフルエンザ(流感)対策国際会議が12日から2日間、東京の外務省で開かれた。高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の流行が拡大する中、新型インフルエンザ発生の早期封じ込めに的を絞った初の国際会議。新型インフルエンザ発生の兆候を早期発見し、対応能力の強化が必要という提言をまとめた。
日本政府とともに会議を主催したWHO(世界保健機関)は、提言を踏まえ対応マニュアルを作成。各国当局や研究者との情報交換や連携を深め、鳥インフルエンザ封じ込めの実効性向上を目指す。また提言は、国民への情報公開の拡大、法律や物質輸送の問題点を明らかにするなど、監視とコミュニケーションの強化を優先事項とした。
鳥の平均体温は41度。ヒトより5度ほど高い。このため鳥インフルエンザウイルスがヒトの体内に入っても、本来は低温で増殖できない。それが水鳥、鶏、豚、ヒトと、動物間でウイルスが感染を繰り返すうちに遺伝子が変異し、低体温下で増える強毒性の新型ウイルスが生まれるという。
予防の基本はヒトへの感染を食い止めることだが、WHOによると2003年以降、ベトナム、タイ、カンボジア、中国、インドネシア、トルコの六カ国でH5N1型の感染者が発生、半数以上が死亡している。
現在、トルコでは感染者が相次ぎ、感染者隔離と鶏の殺処分に全力投球中だ。トルコは欧州、中東、アフリカの結節点。鎮静化できるかどうかは、世界規模の大流行防止への試金石になろう。
国際会議は昨年12月、マレーシアで開かれたASEANプラス3(日、韓、中)の首脳会議で小泉首相が開催を表明。日本は新型インフルエンザ対策としてアジア向けに総額162億円の財政支援とワクチンや抗ウイルス薬の供与、研究者の受け入れなどを言明した。国内でも弱毒性のH5N2型ウイルスが流行した茨城県と埼玉県の養鶏場の従業員らが同型ウイルスに感染した可能性があることが判明、足元の対策強化も急務だ。
マレーシアでの国際公約を履行する一方、国内の水際対策と監視(サーベイランス)態勢を一層強化すべきだろう。
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◎寒波の影響、献血が大幅減 協力を呼び掛け
県赤十字血液センター |
2006/01/03
朝刊 |
昨年12月から相次いでいる寒波の影響で、県内の献血者が大きく減っている。インフルエンザの流行や外出を控える人が増える冬場は例年、献血者が減少するが、今季は記録的な寒波が拍車を掛けた格好だ。県赤十字血液センターは急きょ、献血経験者にダイレクトメールを送って協力を求めるなどPRに懸命になっている。
同センターによると、不足しているのは、医療現場のニーズが高い「400ミリリットル献血」。県内の昨年4―11月の献血者は延べ約3万9000人で、前年同期に比べ12%増加した。変異型クロイツフェルト・ヤコブ病対策で英国滞在経験者(1980―96年)の献血禁止措置に伴う政府のPR強化や、熊本市下通1丁目に移転オープンした「下通り献血ルーム」などが奏功した。
ところが、12月になって厳しい寒さが続いたため献血者の出足が鈍り、同月1―27日が約4000人。前年同期に比べて8%も減った。不足分は他県から調整して回してもらっている状況という。
しかし、寒波は全国的に厳しい上、今後の到来も予想される。さらに、今季はインフルエンザの流行が早まっており、さらなる献血者減少が懸念される。
同センターは「医療現場の血液需要は冬場でも減ることはなく、年間を通してほぼ一定。安定供給のために、ぜひ400ミリリットル献血に協力してほしい」と呼び掛けている。下通り献血ルームは2日から、同センター(熊本市長嶺南2丁目)は4日から受け付け開始。4日までに来館した献血希望者には、今年のえとにちなんだ「戌(いぬ)の石けん」をプレゼントする。
問い合わせは同センター(電)096(384)2111または同ルーム(電)096(325)9218へ。(横山千尋)
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◎ 鳥インフルエンザ発生したら― 農家や行政、机上演習
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2005/12/23
朝刊 |
県内の農場で鳥インフルエンザが発生したと想定した机上演習が二十二日、県庁地下大会議室であり、養鶏農家や行政関係者ら三百人が防疫体制や手順を確認した。
鳥インフルエンザが発生しやすい冬場を迎え、関係者が危機管理体制を確認するため、県が実施した。
演習は、県内の養鶏場で採卵用ニワトリが大量に死亡したと想定。通報を受けた県がウイルスを検出し、感染拡大を防ぐために鶏と卵の移動制限区域を設定した。
その後、感染の恐れがある鶏の処分や、風評被害を防ぐための消費者への広報活動など、問題終息までの流れを県職員がスライドで説明した。(鹿本成人)
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| ◎インフルエンザで熊本市池上小 今冬 県内初の学級閉鎖 |
2005/12/20
朝刊 |
県健康危機管理課は十九日、インフルエンザとみられる集団風邪のため熊本市の市立池上小一年の一学級が二十、二十一日、学級閉鎖すると発表した。二〇〇五―〇六年シーズンの学級閉鎖は初めて。〇四―〇五年シーズンより一カ月早い。
同課によると、十九日は同学級の児童三十三人のうち二十人が風邪の症状を訴え、十四人が欠席した。このほか同校(児童数三百六十二人)は四十五人が症状を訴え、十人が欠席したという。
〇五―〇六年シーズンはすでに、今月上旬に本渡市の小学校も学年閉鎖した。同課は「急に冷え込んだ影響ではないか。冬休みが明けた一月中旬から、流行が本格化する恐れがある」としている。(鹿本成人)
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| ◎新型インフルエンザ 県が行動計画素案 |
2005/12/14
朝刊 |
県は新型インフルエンザ対策行動計画素案を作成、熊本市で十三日開かれた県感染症対策会議(会長・遠藤文夫熊本大大学院医学薬学研究部教授)に報告した。
素案では、ヒトからヒトに感染する新型ウイルスが確認された際は、知事を本部長に対策本部を設置。健康福祉部を中心に情報を集めて、医療施設などに新型ウイルスの特徴や患者の症例などを伝える。県民の相談窓口も開く。
県内での患者確認後は、流行状況を調べるため、医療施設や学校などに患者発生を迅速に報告させる。流行の初期段階では、患者には十カ所の感染症指定医療機関への入院を勧告。大流行後は全医療機関に診断と治療を要請する。(野方信助)
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| ◎合志町 インフルエンザ流行に備え予防接種委託料 |
2005/12/14
朝刊 |
【合志町議会】13日開会、7724万円を減額し総額76億5608万円とする05年一般会計補正予算案など25件を上程した。主な補正は、インフルエンザの流行に備えた予防接種委託料735万円など。
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◎インフルエンザワクチン 「新型」不安?接種者が急増
県内 不足気味に 国備蓄分で解消へ |
2005/12/14
夕刊 |
県内でインフルエンザワクチンが不足気味だ。新型インフルエンザへの関心の高まりが影響しているとみられ、一部地域は在庫がほぼ底をついた状態。国の備蓄ワクチンの供給が近く始まるため解消に向かいそうだが、需給調整の難しさが浮き彫りになっている。
特にワクチンが不足しているのは菊池地域。菊池保健所によると、十一月末から住民や自治体から問い合わせが増えた。今月一日に実施した管内医療機関への調査では在庫がゼロか、ごくわずかだった。特に西合志町は町外を含む十七の町指定機関のほぼすべてが在庫ゼロだったという。
菊池地域以外も熊本市や天草地域などで医療機関によっては在庫がなくなっている。住民からの問い合わせには「在庫のある医療機関を紹介する」(熊本市保健所) などして対応している。
こうした状況を受け県は九日、国の備蓄六十万本(一本は一ミリリットル入り)の一部供給を要請。一万五千四百本が県に供給されることになった。今週中にも医療機関に届けられ、不足は解消に向かう見通しだ。
県によると、今年は国が新型インフルエンザ対策の行動計画を発表した十一月中旬から接種者が急増。昨年の県全体の供給は十二月一日時点で二十三万本だったが、今年は同時点で二十七万本。それでも不足気味なのは「新型インフルエンザへの関心が高まり、新型には効果がない現在のワクチンを接種した人も多いのでは」と県。今月末以降、医療機関からの返品分の再流通も加わるため「最終的には余るだろう」と県は見ている。
今年と似た事態は二○○三年にも新型肺炎(SARS)や鳥インフルエンザへの不安を背景に起きた。ワクチンは前年の実績や需要を予測して、各医療機関が卸業者に発注する。自由に返品できるという商慣習があるため必要以上に発注する機関もあり、これが在庫の偏在を生んでいるとの指摘もある。
そうした事態を避けようと、県はシーズン前、適正な受発注を卸業者や医療機関に依頼していたが、同じ状況が繰り返された。ある医療関係者は「モラルのない機関があるのは確か。受診者の利益を考慮したワクチン流通の仕組みを検討する必要があるのではないか」と話す。(岡本幸浩)
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| ◎指定医療機関で拡大防止 新型インフルエンザ 県が対策会議 |
2005/12/09
朝刊 |
県は八日、熊本市内で新型インフルエンザ対策会議を開き、新型患者が発生した場合、十カ所の感染症指定医療機関が優先的に患者を受け入れ、拡大を防ぐ考えを示した。
県は現在、新型インフルエンザ対策行動計画を作成中だが、計画の素案によると、新型患者が発生したら、県が感染症指定医療機関への入院を勧告。感染の疑いがある患者が一般の病院を受診した場合は、感染症指定機関に搬送する。患者への接触者には外出の自粛を求め健康状態を調べる。
ただ感染症指定医療機関の対策病床は計四十八床にとどまるため、大流行後は全医療機関に診断と治療を要請し、入院治療は重症患者に限定。抗インフルエンザ薬(タミフル)は入院患者や医療従事者、救急隊員などに優先投与する。
感染症指定医療機関は次の通り。▽荒尾市民病院▽山鹿市立病院▽菊池郡市医師会立病院(菊池市)▽阿蘇中央病院(阿蘇市)▽熊本市民病院▽八代総合病院(八代市)▽水俣市立総合医療センター▽人吉総合病院▽天草中央総合病院(本渡市)▽宇賀岳病院(宇城市)(野方信助)
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| ◎インフルエンザ? 今冬初の集団風邪 本渡市の小学校 |
2005/12/08
朝刊 |
県健康危機管理課は七日、インフルエンザとみられる集団風邪で本渡市の市立下浦第一小一―二年が学年閉鎖したと発表した。2005―06年シーズンで県内の集団風邪の報告は初めて。04―05年シーズンより一カ月半ほど早い。
同小ではインフルエンザとみられる症状で、一年生五人と二年生三人が欠席。他の児童も類似症状という。同課は「インフルエンザ様の症状は現時点では天草地域からの報告だけだが、今後県内全域に広がる恐れがある」としている。
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◎県が新型インフルエンザ対策 情報連絡会設置
年内に行動計画作成 |
2005/12/02
朝刊 |
変異型鳥インフルエンザを念頭に、県は一日、新型インフルエンザ対策情報連絡会を設置した。新型インフルエンザが発生した場合に備え、庁内情報を共有し、早急に対応するのが狙い。行動計画も年末までに作成する。
連絡会のトップは尾方克巳・健康福祉部医監で、メンバーは健康危機管理課の課長など計二十四人。この日は、担当課が鳥インフルエンザの発生状況や国の行動計画などを報告した。
WHO(世界保健機関)は、鳥インフルエンザの感染地域が東南アジアから中国や欧州に拡大しているため、各国に注意を呼び掛けている。日本では十一月中旬、厚労省がトリからヒトに感染する新型インフルエンザウイルスの発生抑制策や感染防止策などを盛り込んだ行動計画を策定、各都道府県にも計画作成を求めた。
県の行動計画は、新型インフルエンザが県内で発生した際の対策本部設置の手順や感染防止の手だて、情報提供の役割分担などを盛り込む。現時点ではトリ由来の新型インフルエンザに有効とされる抗インフルエンザ薬「タミフル」も、国が大流行に備えて熊本県に割り当てた十五万四千人分(百五十四万錠)の確保を検討する。現在の県内備蓄は三百人分(三千錠)という。(浪床敬子)
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| ◎射程=「タミフル在庫」も大事に |
2005/11/23
朝刊 |
鳥インフルエンザから変異発生する新型インフルエンザにも有効とされる抗ウイルス薬タミフルがにわかに注目を集めている。
タミフルはスイス・ロシュ社の製品。インフルエンザウイルスの増殖を抑える。通常のインフルエンザでは、高熱が出る期間を短縮する。この薬効が知られ、これまでの処方量の約七割は日本で使われたという。昨冬だけでも、八百六十万人分(一人分十カプセル)が供給された。現在も、薬品会社や医院などに約千二百万人分の在庫があるとみられている。
一方、米食品医薬品局は十七日、「服用後に日本の子ども十二人が死亡した」とする報告を出した。日本国内の輸入元では「六人は無関係」としているが、服用と死亡の因果関係についての詳しい検証が求められる。
政府はこのほど、新型インフルエンザの流行に備え、国と都道府県にそれぞれ千五十万人分を備蓄する目標を定めた。しかし、都道府県の現在の備蓄量は百人単位と非常に少なく、熊本県も例外ではない。県健康福祉部は「世界中が求めている薬をどう確保するか。難しい問題も多い」と当惑している。国は、具体的な手配と都道府県への支援を急ぐべきだ。
ロシュ社も増産するようだが、日本は当面、現在の流通在庫を極端に減らさない心がけも必要だ。国は、新型インフルエンザ対策の行動計画で、発生時は通常のインフルエンザ患者への投与中止を含めて、タミフル投与の優先順位も定めている。医療機関も患者に趣旨の徹底を図ってほしい。(木)
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| ◎社説=APEC首脳宣言 不安に応える決意示したが |
2005/11/20
朝刊 |
韓国・釜山から発信されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳宣言は、脅威が拡大する鳥インフルエンザ問題と、難航中の世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(新ラウンド)という二大テーマについて、地域が結束して懸案に立ち向かう決意を示した。
●新型流感対策は前進
特に、新型インフルエンザ出現が最も懸念されるアジア地域の対応に世界の関心が集まるなか、宣言が各国の行動計画策定を約束。迅速な情報開示などを確認したのは、ともかく一歩前進である。
問題は、その実効性だろう。
発足十六年目を迎えるAPECは、参加国も当初の十二カ国から二十一カ国・地域 に拡大。世界貿易の七割を占めるなど存在感は格段に重みを増している。
ただし、各国が目覚ましい経済発展を遂げる一方で、それぞれの国益や地域の主導権をめぐる政治的思惑の違いも目立ち始めている。今回のAPECでは、これに加えて歴史認識問題で日本と韓国、中国のぎくしゃくした関係が、より複雑な影を落とした形となった。
地域の最大関心事である北朝鮮の核開発問題への対応が首脳宣言に盛り込まれず、盧武鉉・韓国大統領が終了後の記者会見で言及するという形にとどまったのも、象徴的な事例と言えなくもない。
だが、北朝鮮の核開発問題だけでなく地域が直面する課題は、域内の緊密な連携と結束抜きには克服できないものばかりだ。地域の安定と発展のためにも、日中韓三カ国の関係打開が不可欠なことをあらためて痛感させる会議となった。
鳥インフルエンザ行動計画は、(1)二〇〇六年十一月までのインフルエンザ流行対応計画の策定(2)監視・早期発見の体制強化―などを確約。緊急時の対応や情報伝達を確認するための机上演習を〇六年初めに実施することも明記した。
小泉純一郎首相は、抗ウイルス薬タミフルや検査キットの備蓄・提供などの支援策 を表明したが、鳥インフルエンザの人への感染例が最も多いベトナムをはじめアジア地域への支援を急ぎたい。
首脳宣言はWTO交渉について、「新ラウンドの迅速な進展」を支持。輸出補助金を多用している欧州連合(EU)を念頭に「先進国は〇六年末までにすべての農産物輸出補助金を撤廃すべきだ」などと交渉進展を促す特別声明も採択した。
ただ、新ラウンドでは、APECの主要メンバーである米国と日本が農業の輸出国と輸入国に分かれて利害が対立。WTOより早期の成果が期待できる二国間自由貿易協定(FTA)への傾斜を加速させる国も目立つなど、WTO交渉をめぐる参加各国の意見の隔たりは大きい。
WTO交渉では、来月の香港閣僚会議を前に関税率削減など細目合意を目指すという当初の目標達成も断念に追い込まれている。APEC首脳宣言がいくら力強い文言を並べても、各国が現実的な対応を示さない限り、新ラウンドがさらに混迷を深めるのは避けられない。
●関係修復へ双方動け
小泉首相にとって今回のAPECは、行き詰まった対中、対韓外交を自ら打開できるか、その試金石の場ともなった。
しかし、十八日に実現した日韓首脳会談は、小泉首相の靖国神社参拝問題を「韓国民に対する挑戦」と批判する盧大統領と、「戦争の美化ではない」と理解を求める小泉首相との溝は埋まらず、関係修復の糸口すらつかめていない。
首脳同士の相互訪問が四年以上途絶えている日中関係はさらに深刻だ。歴史認識問題では、日中双方とも妥協の姿勢を示さず相手の変化を待つ「我慢比べ」に入った感も強いが、やはり異常である。
十二月中旬にはクアラルンプールで初の東アジア首脳会議も開かれる。地域の経済統合を進めるためにも日中韓、とりわけ日中両国は真摯(しんし)に歩み寄るべきだ。
小泉首相には何より、地域の安定を主導する外交戦略を示してもらいたい。
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◎化血研 薬剤事前に注射器充てん シリンジ化ワクチン増産へ
新生産施設完成 2006年5月本格稼働 |
2005/11/16
朝刊 |
大手ワクチンメーカーの財団法人化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)が、薬剤を事前に注射器に充てんした「プレフィルドシリンジ」のワクチンを増産する。十五日、新しい生産施設が完成、来年五月の本格稼働を目指す。
生産能力は、〇・五ミリリットルシリンジ換算で一時間当たり最大一万五千本。需要増が見込まれるヒトインフルエンザワクチンを中心に薬剤のシリンジ化を進める。 生産施設は鉄骨造り地上五階建て(延べ床面積約五千平方メートル)。熊本市大窪一丁目の本社に併設、注射器に薬剤を充てんする生産ラインは一本。機器を含め約四十二億円投じた。
インフルエンザワクチンをあらかじめ注射器に充てんしたプレフィルドシリンジ は、デンカ生研(東京都中央区)が〇三年、国内で初めて発売。化血研は瓶詰め(一ミリリットル入り)を販売していたが、二〇〇五―〇六年シーズンの出荷量が〇一―〇二年シーズンの三倍近くに増加したため、生産施設の増強を急いでいた。
化血研のシリンジ化ワクチンは、三種混合ワクチン、日本脳炎ワクチンに次いで三番目。(川崎浩平)
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| ◎射程=新型流感対策の死角は? |
2005/11/15
朝刊 |
世界的に懸念される新型インフルエンザの出現と大流行に備えた政府の行動計画がまとまった。
発生状況を平常時から世界的大流行の六段階に分け、感染予防とウイルス封じ込めのため、医療体制の整備や集会自粛など社会活動も制限する―といった計画概要は政府対策本部のこれまでの検討作業でも明らかにされた通りだ。
行動計画は、起こり得るさまざまなシナリオを想定して対策を事前に細かく定め、 実際に新型インフルエンザが出現した際に、国民が冷静に対応できるような体制を整えておくのが狙いである。
ただし、行動計画を詳細にみると、気掛かりな点も少なくない。
政府は国内で新型インフルエンザ出現時に予想される最大死者数を、従来の約17万人から約64万人に修正した。推計の前提となるウイルス毒性の再評価からだろうが、対策の根本にかかわるだけに、もっと丁寧な説明が不可欠だ。
一方、計画の目玉が抗ウイルス薬タミフルの備蓄強化。本命のワクチン製造には時
間がかかるとされ、ウイルス増殖を抑えるタミフルは当面の「頼みの綱」となる。だが、タミフルには、世界中から注文が殺到している。計画は政府分備蓄を現在より三十倍増、都道府県分は四倍増やすとしているが、確保見通しはなお不透明だ。
計画はタミフル投与の優先順位も示したが、用法や副作用に関する情報の周知徹底も急務だろう。
計画は膨大な費用や社会生活の制約を伴う。実効性の担保には国民の支持が欠かせず、正確な情報共有が最大のカギとなる。(遠)
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| ◎県が養鶏場再検査 ウイルス感染なし 鳥インフルエンザ |
2005/11/12
朝刊 |
県は十一日、今年七月に全国一斉に実施された鳥インフルエンザの抗体検査の際、県の家畜防疫員が立ち会っていなかった養鶏場一カ所(十羽)を再検査した結果、ウイルス感染は確認されなかったと発表した。
県畜産衛生課によると、検体となる鶏の血液採取は通常、獣医師の家畜防疫員が採 取するか、立ち会いの元で実施する。しかし、この農場では、一斉検査の際、農家が事前に採取していた血液サンプルを持ち帰って検査に回していた。
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| ◎鳥インフルエンザ 県、1養鶏場を不手際で再検査 |
2005/11/10
朝刊 |
県は九日、今年七月に全国一斉に実施された鳥インフルエンザ抗体検査で、県の家畜防疫員が立ち会わなかった不手際があったとして養鶏場一カ所を再検査したと発表した。結果は十一日に判明する。
県家畜衛生課によると、検体となる鶏の血液採取は通常、獣医師の家畜防疫員が採 取するか、立ち合いのもとで実施する。しかし、この農場では、農家が事前に採取していた血液サンプルをそのまま持ち帰って検査に回したという。
検査は、六月に茨城県で鳥インフルエンザが発生したことを受け実施。熊本県では千羽以上を飼養する七十七養鶏農場のうち、無作為抽出した二十八農場の計二百八十羽を調べた。ウイルス感染は確認されなかった。
同課は「調査を急いでいたため、農家が渡した血液をそのまま持ち帰ってしまったようだ。再発防止を徹底したい」と言っている。
茨城県の養鶏場で、一斉検査後に二カ所から感染が見つかったため、農水省が全国の自治体に採取方法についても調べるよう指示していた。
県は、抗体検査未実施の四十九農場についても、年度内に検査する。(浪床敬子)
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| ◎新生面=「インフルエンザ」 |
2005/11/04
朝刊 |
かかりつけの医院の窓口に、インフルエンザの予防接種予約を受け付ける張り紙がしてあった。もうそんな季節になったのかと思いつつ迷わず申し込んだ▼いま世界各国が警戒しているのが、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の流行。既にアジアで六十人以上が死亡し十月には欧州にまで感染が広がった。鳥インフルエンザのウイルスは変異して人から人へ感染することが心配され、世界保健機関は「そのようなウイルスがいつ出現してもおかしくない。残された時間は多くない」と警告している▼インフルエンザは古代ギリシャ時代からあったが、ほとんどが軽症で済んでいた。だが一九一八年―一九年に大流行したスペイン風邪は、かつての黒死病の惨禍を想起させるような災厄をもたらした。死者は推計二千五百万―五千万人に上り、日本でも三十八万人が死んだ(立川昭二「病気の社会史」)▼米研究グループがスペイン風邪にかかった人の保存組織を分析したところ、そのウイルスは鳥インフルエンザとかなり似通っていた。新型インフルエンザの致死率は、これまでの発生状況からみると約五割。スペイン風邪並みの強い毒性を持った新型が大流行すれば、世界で七千四百万人、日本で十六万人の死亡が予想されている▼米政府は新型の爆発的流行に備え、約八千三百億円の緊急予算を組む方針で、厚労省も今月中に具体的な「全国行動計画」を発表する。ワクチンを効率的に、速く製造する研究も進んでいる。世界各国は手を携えて急ぎ、新型インフルエンザに立ち向かうための戦略を練る必要がありそうだ。
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