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 新型インフルエンザの啓発書発刊

 米国の大学に勤務中、世界で初めてインフルエンザウイルスの人工合成に成功した河岡義裕・東京大医科学研究所教授が「インフルエンザ危機(クライシス)」(集英社新書)を発刊した。

 河岡氏は北海道大獣医学部卒。高病原性鳥インフルエンザの大流行も予想される中、国内で最も頼りにされている研究者の一人だ。

 鳥の平均体温は41度。ヒトの体温はそれより低いが、ウイルスの感染、増殖の可能性が指摘されている。なぜか―。ウイルスは水鳥、鶏、豚、ヒトと動物間での感染を繰り返すうちに、遺伝子が変異して毒性が強くなるという。

 本書は、そんなインフルエンザウイルスの仕組みや研究の最前線、最近の各地での流行状況、感染から身を守る方法まで、幅広く紹介している。

 難しい話を可能な限り平易に書くとともに、興味を持ってもらうため、インフルエンザウイルスの人工合成に成功した際、CIAのエージェントが接触してきたエピソードを取り上げている。また普段は地味な研究にこつこつ取り組むウイルス研究者の実態に迫るため、水鳥のふん集めの苦労話などを披露している。172ページ。価格693円。

  (熊本日日新聞2006年2月1日付「夕刊メディカル」)

 
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