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インフルエンザ 人にうつさないマナーを
 急に寒くなり、インフルエンザが流行しやすい季節になった。風邪よりも炎症が激しく、脳症を引き起こすこともあるインフルエンザ。自分の感染予防だけでなく、人にうつさないエチケットにも気を配りたい。(梅野智博)

インフルエンザは飛沫で感染する。人にうつさないためにマスク着用を心掛けたい=熊本市
 今季のインフルエンザは、今のところ大流行する兆しがない。10月30日から12月3日までに、県内の観測医療機関から県に届けられた感染報告はわずか14人。昨年同時期の396人と比べて大幅に少ない。全国的にも同様で、目立った流行は確認されていない。

 熊本地域医療センター(熊本市本荘)総合診療部長の後藤善隆医師は「昨シーズンは、A香港型ウイルスの一種カリフォルニア株が大きな流行を引き起こした。大流行の翌年は流行しにくい傾向がある。多くの人がカリフォルニア株の免疫を持っているからだ。しかし、油断は禁物。別の株が突然出てくることもある。感染予防は決して怠らないでほしい」と話す。

 後藤医師によると、インフルエンザは飛沫(ひまつ)によって感染する。人がくしゃみやせきをすると、だ液や鼻水、たんなどが細かい粒になって飛び出す。飛沫を吸い込んだり、飛沫が付いた手で口や鼻などに触れると、ウイルスが体内に入り込んで感染する。

 インフルエンザウイルスは主に気道の細胞に取り付く。風邪ウイルスよりも激しい炎症を引き起こすので、40度近い高熱が出ることがある。また、患部から炎症系の生理活性物質が出て、血液に交じって全身に送られる。関節の痛みや筋肉痛などの全身症状が現れるのは、そのためだ。時には脳症を引き起こすこともある。

 「空気が乾燥すると、のどの粘膜が傷ついて、インフルエンザに感染しやすくなる。部屋の中を暖房するときには加湿や換気に気を配ってほしい」と後藤医師。

 予防には、マスクを着用して飛沫を吸い込まない。小まめに手洗いして付着した飛沫を洗い流す。うがいを励行して、のどに入ったウイルスを早めに洗い出す、ことが大切だ。マスクには、のどの湿り気を守る効果もある。

 「予防は大切だが、それと同じくらい他人にうつさないことも心掛けてほしい」。国立感染症研究所の谷口清州・感染症対策計画室長は公衆衛生意識の重要性を訴える。

 「人が集まる場所でせきを繰り返すのは、ウイルスをまき散らしているのと同じ行為。マスクをしたりハンカチで口を抑えるのが最低限のマナーで、欧米ではコフ(せき)エチケットと呼ばれている。日本でも、もっと浸透してほしい」

 インフルエンザに感染しても、抵抗力が強ければ軽症で済む。そんな人が無理して会社や学校に出かけると、弱い人たちにウイルスを広めることになりかねない。

 後藤医師は「高齢者施設などで働く人、家族に乳幼児やお年寄りがいる人は特に注意してほしい。ワクチンの接種は乳幼児や高齢者だけが必要なのではない。病気になっても寝込まない丈夫な人こそ、ワクチンを接種してほしい」と話している。

  (熊本日日新聞2006年12月13日付朝刊)
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