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| タミフル耐性ウイルスの発生率 増加認められず |
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インフルエンザの流行シーズンを前に、スイス・ロシュ社は、2005年3月以降のH5N1鳥インフルエンザ感染患者から抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」(一般名オセルタミビル)の耐性ウイルスが見つかったという新たな報告はなく、耐性ウイルスの増加も科学的に立証されていない、と発表した。
この数カ月間、タミフルの耐性ウイルスが増加しているという憶測が流れていたため、同社は第三者機関と共同監視してきたが、そういう事態の発生を示す科学的エビデンスは認められなかったという。ただ、すべての抗ウイルス剤がそうであるように、理論上、薬剤感受性が低下したウイルスが現れるリスクはあるとしている。
同社は、ノイラミニダーゼ阻害剤感受性ネットワーク(NISN)などの機関を通じ、タミフル耐性ウイルスの発生に目を光らせている。通常のインフルエンザ治療にタミフルを使った世界各国の患者数千人から集めたデータから、耐性ウイルスの発生率は成人で0・32%、小児で4・1%と推計されるとしている。小児の耐性ウイルス発生率が高いのは、成人よりも抗体が低いためウイルス量が多く、ウイルスの放出期間が長いためとみられる。
タミフル使用量が世界一の日本での調査でも、耐性ウイルス発生率の増加は認められていない。確認された少数のタミフル耐性ウイルスの大半は、重い感染症を引き起こさず、感染力も弱いことが確認されているとしている。
一方、H5N1鳥インフルエンザのタミフル耐性では3例が立証されている。うち1例は、発症している患者に治療用量(75mg1日2回)ではなく予防用量(75mg1日1回)を投与。過少投与で薬剤耐性のリスクが高まった結果としている。この患者は1日2回の治療用量を投与したら回復した。残る2例は、投与開始が発病2日目と発病6日目で、ともに推奨用量を投与した。
しかし05年3月以降、タミフルに対するH5N1耐性ウイルスの症例は、この2例以外に報告されていないという。
04年と05年に単体分離されたH5N1ウイルスのタミフルへの感応性は、1997年に単体分離されたH5N1ウイルスや、流行中の通常ウイルス(H1N1ウイルス)より約10倍高いとされている。このことから、時間の経過とともにタミフルへのウイルス感応性は高まっているとしている。
タミフルは、インフルエンザA型ウイルスとB型ウイルスによるインフルエンザに有効で、ウイルス表面のノイラミニダーゼ酵素の作用を妨げて効果を発揮する。ノイラミニダーゼ酵素は、増殖したウイルスを細胞外に放出する働きをする。このためノイラミニダーゼの働きが妨げられると、体内の他の細胞にウイルスが拡散したり、感染したり、できなくなる。日本では1歳以上の小児と成人のインフルエンザの治療薬・予防薬として認められている。(南里秀之)
(くまにちコム「健康・医療」2006年12月1日付) |
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