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| 料金に幅 インフルエンザ予防接種 競争原理で独自設定 |
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インフルエンザの予防接種は12月中旬までが“シーズン”。新型肺炎SARS対策もあって関心が高まっているが、一方で接種料金に対する疑問の声が上がっている。熊本市の主婦(40)から「かかりつけの内科は4200円だが、耳鼻科は3600円。友人から2000円の病院もあると聞いた。同じ接種なのに2000円以上も幅があるのはなぜでしょう」という意見が寄せられた。県内の接種料金事情を探った。
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| インフルエンザの予防接種を受ける子ども。公的負担の対象にならない任意接種は料金が医療機関の裁量に任されている=熊本市南高江の小児科医院 |
予防接種法で65歳以上の高齢者と、60〜64歳の心臓、肺などの重症慢性疾患者には接種費用の公的負担があるが、それ以外は「任意接種」で基本的に全額自己負担。料金設定は各医療機関の裁量に任されている。県医師会地域保健担当理事の村上幹彦・宇賀岳病院院長は「独占禁止法違反になる恐れがあるため、医師会として料金を統一することはできない」と説明する。
■外から見えぬ手間
では、医療機関はどうやって料金を決めているのだろうか。全国的に郡市医師会ごとに示される「参考料金」にならうケースが多いようだ。熊本市医師会が登録医療機関に示した参考料金は、1人1回、大人と子ども同額の4200円。社会福祉担当理事の尾崎紘・川尻尾崎内科院長によると、ワクチン代を1250円とし、診療料や注射手技料、事務料などを算出。診察料は医療保険の診療報酬点数を参考に、2700円で計算しているという。
「予防接種はわずかではあるが健康被害を起こす可能性があり、防止の意味で診察は必要。示した接種料金は医師に参考にしてもらうためで、決して強制ではない」と尾崎院長。だが、「参考料金」を“採用”している医療機関は多い。
その一つ、小児科診療所を開くベテラン医師は「単に注射をうつだけではない」と強調。「予約が入ると、カルテを出して他の予防接種との間隔が空いているかなどをチェックし、年齢に応じ異なるワクチン接種量を記載する。外から見えない手間もある」と訴える。
加えて、ワクチンの「ロス」があるという。「ワクチンは大人2回分で1パック(約2000円)というタイプが多い。一度針を刺したら、当日中に使い切らないといけない。利用者の少ない施設ではその日残った分は廃棄せざるを得ない」
■世帯の負担も考慮
一方、独自の判断で料金を決めているケースも少なくない。
熊本市東部の内科医院は1回2000円代で設定した。「患者さんに小さな子どものいる世帯が多く、4人家族で1万5000円以上の出費を求めるのは酷だと思った」と院長。ただし接種日を週に2回に限定し予約制とし、家族ぐるみの接種をすすめる。「患者サービスと割り切っているが、赤字は出したくない。コストの効率を考えた」と話す。別の医師は「近くに2000円台の病院があるので料金を合わせた」と競争原理を働かせたことを明かす。
同市神水のくわみず病院は、地域住民を対象にした「友の会」の会員世帯に限り、半額の2100円で接種している。光永隆丸・小児科診療部長は「会員に対して生活習慣病の学習会などを開いているが、半額にするのも予防活動の一環。子どもの脳症防止に有効と考えているので、経済的な負担を軽くすることで接種を促したいと思った」。
5000円を超える医療機関もあり、ばらつきの大きい接種料金。消費コンサルタントの星子邦子さんは「医療行為の料金に、他のサービスと同じような『安い・高い』の感覚のみを持ち込むのは疑問だ。予防注射も健康被害の可能性まで考えれば、注射をうつ行為だけでなく、問診などその前後の対応も重要になる。料金だけでなく医師の評判などを含め総合的に判断すべきだろう」とアドバイスする。
◆市町村助成にばらつき 年齢、金額もさまざま
子どもや成人の接種料金は、市町村でもばらつきがある。公的助成の対象を広げている市町村があるからだ。
益城町は3歳以上を対象にし自己負担は2000円、同じ対象年齢でも菊陽町なら1000円だ。無料化の対象年齢を広げている自治体もあるが、小国町は18歳以上、泗水町や合志町などは3〜15歳と、こちらもばらつきがある。
法的に公的助成が決められている高齢者の負担も同じ。県健康危機管理課によると平成十四年度の「無料」は熊本市など七自治体だが、それ以外は自己負担額は数百円〜2000円超とばらついている。接種料金のうち一定額を助成する自治体も同じように幅がある。
助成は市町村と医療機関との契約。その際、「委託料」が市町村ごとに決められる。全額助成の熊本市の委託料は3100円。市医師会が示した「参考料金」と1100円の隔たりがあるが、尾崎紘理事は「4200円で要望したが、市の財政や税金からの拠出、高齢者接種の意義などを考慮し行政に協力した」と説明する。
(熊本日日新聞2003年12月3日朝刊)
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