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リウマチ治療 選択肢広がる

 関節リウマチ治療の選択肢が広がっている。痛みや炎症を引き起こすメカニズムの解明が進み、病気の原因物質に直接作用する新薬(生物学的製剤)が相次いで発売されたためだ。症状が大幅に改善した患者もいるが、副作用のリスクもある。

リウマチ患者の症状を調べる森俊輔医師=国立病院機構・熊本再春病院
 熊本市の公務員Aさん(44)は14年前に発症した。既存の抗リウマチ薬とステロイドを併用することで症状を抑えてきたが、4年前から効かなくなった。足首やひざ、肩など多くの関節が痛み、「体を動かすのもつらい状態だった」。

 関節リウマチは免疫細胞が骨を破壊する病気。国立病院機構熊本再春荘病院リウマチ科医長の森俊輔医師によると、細胞同士が情報交換するために使われるタンパク質群(サイトカイン)が過剰に作られ、活性化しすぎて炎症や痛み、骨を溶かすなどの破壊を引き起こす。

 「朝起きると手がこわばる」などの軽い症状から始まるが、進行すると関節が変形したり、痛みで体が動かせなくなる。時に手術や人工関節も必要となる。現状の医学では完治は難しい。「日常生活に不都合がない状態までに病状を抑えるのが治療のゴール」(森医師)となっている。

 Aさんは昨年7月、生物学的製剤に既存の抗リウマチ薬を併用する新薬治療を受けた。点滴後に強い薬物ショック反応が出ることもあり一泊入院が必要だった。「治療後は不思議な感覚だった」とAさんは振り返る。しばらくは体にだるさがあり、冷や汗が出たが、2、3日後に違和感が消えた時には関節の痛みもなくなっていた。

 新薬は、サイトカインの中でもリウマチの原因と考えられている物質に直接作用する。新薬による治療は数年前から始まり、県内の医療機関でも広がってきた。

 だが、細菌などから体を守る免疫機能を弱めるため、既存の抗リウマチ薬よりも副作用を警戒する必要がある。医療機関に、新薬が原因とみられる結核や肺炎などの発症報告があるという。また、病気が進みすぎていたり、肺や腎臓などに病変があると使えない。

 Aさんも「薬で免疫力が落ちるので、インフルエンザが流行する冬場はかなり不安だった。今後も副作用は頭の中から消えないでしょう」と話している。

 治療費が高額なのもネックだ。保険適用だが、それでも1回目の支払いは8万円を超えた。Aさんは2カ月にほぼ1回、新薬の治療を受けている。リウマチ治療は長く続ける必要がある。

 熊本整形外科病院の束野通志副院長(熊本リウマチセンター施設長)は「生物学的製剤ができて治療の幅が広がった」と評価する一方、「新薬が適合すると分かっても、患者さんの(経済的な)都合を考えて使えないこともある」とこぼす。

 日本リウマチ友の会県支部の福富順子支部長は「治らない病気と言われるリウマチだが、医療技術が進み、完治の望みも膨らんでいる。ただ、納得できる治療を受けるためには、患者も勉強しなければならない」と話した。(梅野智博)

 (熊本日日新聞2006年5月17日付朝刊くらし面)
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