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変形性ひざ関節症 早めの治療で進行を抑制
 高齢化社会の到来で、お年寄りの変形性ひざ関節症が急速に増えている。関節の軟骨がすり減り、症状が進行すると歩けなくなる。

 近畿大堺病院(大阪府堺市)の菊池啓教授(整形外科)は「生活の質(QOL)を維持するためにも、早めの治療が欠かせない」と指摘する。

 ひざの関節には、自分の体重がもろにかかる。年齢とともに関節の軟骨がすり減り、摩擦が多くなる。そして炎症を起こし、関節が腫れて痛み出す。場合によっては、水もたまる。末期症状では、ひざがO脚に変形する人が少なくない。

 この変形性ひざ関節症は、男性より女性に多いという特徴がある。女性は五十代に症状が現れ、年を取るとともに割合が高くなる。菊池教授によると、六十歳では女性の40%、男性の20%、八十歳では女性の60%、男性の50%が変形性ひざ関節症という調査結果もあるという。

 厚生労働省の一九九八年の国民生活基礎調査では、ひざ関節症で悩んでいた人が千二百万人、治療が必要な人は七百万人だった。高齢化社会はさらに進んでおり、ひざ関節症の悩みを抱える人が増えているのは確実だ。

 ただ、ひざの痛みを「年のせい」とあきらめてしまっている人も多い。菊池教授によると、インターネットを使ったアンケートでは、五十歳〜六十九歳の女性五千人余りのうち、千四百人以上がひざの痛みに悩んでいた。ところが、実際に治療を受けていたのは半数だったという。

 治療法は大別すると、保存的治療と外科的治療の二つ。保存的治療には、薬物療法と運動療法、その二つの併用療法がある。外科的治療が最終手段になり、人工関節との交換などがある。

 菊池教授が取り組んでいるのは、関節液の成分「高分子ヒアルロン酸」をひざに注入する治療だ。近畿大堺病院で高分子ヒアルロン酸をひざに十回以上注入した患者二百二十四人を対象に、菊池教授は効果を調べた。

 その結果、75%の患者で痛みが和らいでいた、エックス線画像の診断で症状が進行してたのは17%だったなどが分かった。「変形性ひざ関節症は長期の慢性疾患。ゆっくり進行するので、悪化させないようにすることが大切。早めに治療すれば、進行をかなり抑えることができる。例えば、ひざが腫れたり、熱を持ったような感じがするなど、関節が気になったら、専門医を受診してほしい」。菊池教授は、そうアドバイスしている。

 (熊本日日新聞2004年5月12日夕刊掲載)
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