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| 椎間板性腰痛に高周波熱凝固法 痛み少なく短時間で治療 |
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慢性的な腰痛の一つ、椎間板(ついかんばん)性腰痛の治療で、患部に針を刺し高周波で加熱する椎間板内高周波熱凝固法(IDET)という新しい治療法を、大阪大付属病院(大阪府吹田市)が国内で初めて導入、外科手術に代わる先進医療として手掛けている。鎮痛薬や運動療法といった保存療法で効果が上がらない場合、椎間関節手術しか方法がなかったため、患者負担が小さい治療法として普及するとみられている。
■患者は推定2百万人
大阪大医学部の阪上学・助手(麻酔科)によると、椎間板性腰痛は、長時間座ったままだったり、立ったままだったりすると痛みにがまんできなくなる。腰への負担が大きい姿勢を長時間続けると、椎間板に圧力がかかるためだ。
悪化すると日常生活に支障をきたし、スポーツ選手は競技を断念するケースも少なくない。米国では三百万〜五百万人の患者がいるとされる。人口比で単純比較すると、国内の患者は二百万人程度と推定される。
椎間板は、まんじゅうの中にあんこが詰まったような構造。まんじゅうの皮に当たる部分を線維輪(せんいりん)、あんこの部分を髄核(ずいかく)と呼ぶ。背骨を形づくる骨と骨の間に挟まれ、クッションのような役目をしている。
阪上助手は「椎間板性腰痛の原因は、髄核から水分が抜けて椎間板が弾力を失い不安定になるだけでなく、線維輪に亀裂ができて周囲から神経線維が入り込むため」と話す。
これが背骨の腰の部分で起きると、不安定になった部分が周囲の神経や新しく入り込んだ神経を刺激する。
■7割に効果
重症の場合、従来は痛みがある部分の腰椎(ようつい)をボルトなどで固定する手術をしていた。ところが手術は患者の負担が大きく、日常生活の支障はなくなっても、スポーツ選手の競技再開は困難とされていた。固定した部分の上下に負担がかかり、新たな腰痛の原因になることもある。
阪大病院は二〇〇三年、IDETを導入した。これまでに十代〜五十代の二十人弱を治療し、痛みの解消やスポーツの再開など、七割に効果がみられたという。滋賀医科大付属病院(滋賀県大津市)も追随している。
治療は、患者に局所麻酔をしてうつぶせにならせ、レントゲンをみながら、筒状の針を患部の椎間板に刺す。針を通して針金状のカテーテルを損傷した線維輪の内側に沿うように挿入する。
その後、カテーテルに高周波電流を流して線維輪を加熱する。十二分間かけて温度を六〇度から九〇度まで上げ、そのまま四分間保って治療は終わる。さらに感染症を防ぐため抗生物質を投与し、四〜五日間様子をみるが、長期入院の必要はない。
■60%〜80%に効果
「治療後、加熱の影響で一時的に痛みが増す場合もある。ただ二〜四週間ほどすると、多くの患者は痛みが和らいでくる」と阪上助手。加熱した部分の線維輪が硬くなって椎間板が安定し、線維輪に入り込んでいた神経線維も熱で変性して痛みを感じなくなるという。
米国では二〇〇〇年に始まり、既に約四万人の患者に試みられている。そのうち60%〜80%は「痛みが軽くなった」「活動範囲が広がった」「鎮痛薬の量が減った」などの効果があったという。
国内では医療保険の適用外だが、阪大病院は学内の先進医療審査会の承認を得て費用を研究費で負担している。阪上助手は「局所麻酔で短時間で治療でき、副作用の報告もほとんどない。保険適用になれば、慢性の腰痛で悩んでる人には治療の選択肢の一つになるだろう」と話している。
(熊本日日新聞2005年6月15日夕刊掲載) |
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