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| リウマチ治療薬登場 高い治療効果だが問題点も |
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厚生労働省が、抗サイトカイン(活性因子)薬と呼ばれる関節リウマチ治療薬を承認して三カ月が過ぎた。関節リウマチに直接関係のあるサイトカインだけの働きを抑え、劇的な治療効果をもたらす。半面、感染症の危険性が増すなど問題点も指摘されているため、施設を限定し、専門医が五千例に投与して副作用の有無を調べている。
■免疫異常を改善
リウマチの原因は不明だが、白血球の一つであるリンパ球が異常に活性化し、自分の体を攻撃する自己免疫病ということが分かっている。このリンパ球は抗体とともに、主に関節の中にある滑膜を攻撃するため、炎症が起こり、滑膜の血管や細胞が増えて滑膜が厚く腫れて、「かみつかれたような痛み」を伴う。滑膜は骨の軟骨部分や靭帯(じんたい)を破壊。さらに骨まで壊してしまう。
現在、一般的とされる薬物療法では、炎症を抑える抗炎症薬と、リンパ球の活性化を抑える抗リウマチ薬を投与する。
一方、抗サイトカイン薬は、免疫学的手法を利用し、体内でリンパ球が活性化されるメカニズムを逆手にとって免疫異常を改善する。田辺製薬(大阪市)の「レミケード」(一般名インフリキシマブ)といい、厚労省は当初、炎症性腸疾患治療薬として承認、七月十七日に関節リウマチ治療薬として追加承認した。
治療法は、体重一キロ当たり三ミリグラムを八週間間隔で静脈に点滴して投与する。北海道大(札幌市)の小池隆夫・第二内科教授は「リウマチの原因そのものを抑え込むわけではないので、あまり効かないかと思っていたが、ものすごくよく効く」と話す。
■強い抗炎症作用
治験段階からレミケードを投与している産業医科大(北九州市)の田中良哉・第一内科教授は「これまで使っていた抗リウマチ薬のメトトレキサート(MTX)は、投与から八〜十週間しないと効かない。レミケードは痛みを和らげる抗炎症作用も非常に強く、投与翌日から七〜八割の人がよくなっている」。
田中教授によると、「朝、目が覚めて気分がいい」「気分が違う」という患者が多く、「痛みが少ない」「体が軽くなった」、歩行に使っていたつえがいらなくなったという人もいるという。
リウマチ治療の第一選択薬とされるMTXは、最もよく効く抗リウマチ薬として知られるが、実際に効果があるのは半数程度に過ぎず、田中教授は「うまく使っても二年後には半分以上が骨・関節破壊まで進行してしまう」と言う。
■結核感染に要注意
このためレミケードは、MTXが効かなかった患者を対象に、MTXと併用して投与し、「半数の壁」を破ることを目標にしている。
欧米での多国間の大規模研究では、二年間で骨・関節破壊の進行をかなり抑える結果が出ている。ただ注意が必要なのは、免疫を抑えることに伴う副作用。欧米の市販後調査では結核感染が報告されている。もう一つの難点は薬価の高さ。体重五〇キロの人で一回二十三万円。健康保険の三割負担で八万円弱として、年間五十万円ほどかかる。
しかし、患者にとって治療の選択肢が増えたのは間違いない。小池教授は「実際に使ってみて、早期の関節破壊の人がよくなる(元に戻る)というのは予想外だった。相当進行してしまっていると使いづらいが、これからリウマチにかかる人は相当よくなるだろう」と言っている。
(熊本日日新聞2003年10月29日夕刊掲載)
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