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骨粗しょう症治療に新時代 新しい薬剤も発売
 高齢化社会の進展に伴い骨粗しょう症が急増、患者は既に1000万人を超えたと推定されている。骨から失われたカルシウムを取り戻す治療は時間がかかるが、最近は病気への理解が一段と進み、検診による早期発見も珍しくない。一方、骨量を増やす確実な効果が期待できる経口薬の「骨吸収阻害剤」も発売され、骨粗しょう症の治療は新時代に入った。

 ■バランスの崩れ

 この病気は加齢や閉経、あるいは偏った食生活などにより、骨のカルシウム量が減り、骨がもろくなるため、つぶれて背骨が曲がったり、転倒した際の骨折が多くなる。

 閉経の関係で女性が圧倒的に多いことが特徴だが、リウマチをはじめ、いろんな病気で使われるステロイド薬の影響によるものもある。

 東京都老人医療センター内分泌科の細井孝之医長は「最近は自分の骨量を知っておきたいと検診を受けて引っ掛かり、治療に来る人も多くなった」と話す。

 患者を分析すると、50代では圧迫骨折を起こしている人はほとんどいないが、60代で半々、70代では3分の2が圧迫骨折で脊椎(せきつい)骨がつぶれ、背中が丸くなる人が増えてくる。

 体内の骨は、常に古い骨が壊され、新しい骨が作られる。このバランスが崩れて壊される骨が多くなると骨粗しょう症になる。

 ■最終目標は骨折予防

 骨粗しょう症の治療の基本は、食事や運動などの生活習慣の是正だ。「治療の最終的な目標は骨折の予防」(細井医長)。そのため減った骨の量を増やしたり、骨を強くしたりする。

 薬を使った治療は、骨折の有無やエックス線所見、骨量、骨代謝マーカーなどから、総合的に判断して決められる。骨代謝マーカーでは、骨の形成と破壊の活性の度合いが分かる。

 通常、骨量低下の度合いが弱く、骨折がない人の場合、腸でカルシウム吸収を促進する活性ビタミンD3製剤や、骨の形成を促進するビタミンK2などの経口ビタミン製剤を投与し、骨折や骨量減少を予防する。骨量は1〜2%の増加が見込まれ、それほど上昇するわけではない。ただ骨折はビタミン製剤を使用しない時と比べ、半分程度に減少することが分かっている。

 閉経から間もない50代の女性で更年期障害もある場合は、女性ホルモンの補充療法(HRT)も選択肢の一つとなる。

 ■アレンドロネート

 骨折があるか、骨量が非常に少ない場合、骨代謝マーカーが骨破壊の高進を示す場合などに使われるのが「骨吸収阻害剤」だ。体内の骨の破壊(骨吸収)を抑制して、骨の形成だけを優先させて骨を強くする薬だ。

 これまでも同様の薬はあったが、昨年8月末に副作用が少なく、より優れた新世代のアレンドロネート(商品名フォサマック、ボナロン)が発売された。骨量を年間5%ほど上げるとともに、骨折の確実な予防効果が確認されている。従来の類似薬は休薬期間が必要だったのに対し、連続投与できる。

 細井医長は「この1、2年、よい薬が出てきて、治療法が選べる時代になってきた。しかし新薬が必ずいいというわけでない。これまでの治療法でよい効果が得られる人はそのままでよいし、効果が足りない場合は新しい薬剤を順次試していく」と言っている。

 (熊本日日新聞2002年1月22日夕刊)
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