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| MRIでヘルニア治療 最適部分にレーザー照射 |
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オープンMRI(磁気共鳴画像)装置を使い、レーザーによる腰椎(つい)椎間板ヘルニアの治療。体の負担が軽く、手術後は一日入院で済む。初めて高度先進医療に認められた東京慈恵会医科大付属柏病院(千葉県柏市)が、症例を重ねている。
背骨は椎骨が縦に重なりつくられている。椎間板は椎骨と椎骨の間で、背骨への衝撃や体重を緩和するクッションの役割をしている。椎間板は中心部にゼリー状の髄核があり、周りを線維輪という丈夫な組織が囲んでいる。
■腰や下肢に強い痛み
椎間板に強い圧力がかかったり、線維輪の弾力性が衰えると、破れたり、亀裂が入ったりして、髄核が飛び出してくる。この状態が椎間板ヘルニアで、腰椎に起こると腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれる。特徴は腰や下肢の激しい痛み。脊髄から分かれて下肢に伸びる座骨神経につながる神経根がヘルニアで刺激、圧迫されると、座骨神経痛が現れる。
まず、鎮痛薬を飲んだり、腰の背骨を引っ張るなど「保存療法」を試みる。大半の患者は保存療法で改善する。しないなら、突き出したヘルニア部分を手術で切り取らざるを得ない。
■手術時間は約30分
手術の際、患者の負担を軽くするため、一九八〇年代後半、腰を切開しないレーザー治療が米国で登場した。局所麻酔の後、背中から腰の椎間板にレーザーファイバーを挿入。レーザーを照射して髄核を蒸散させ、ヘルニアによる神経根の圧迫を取り除く。
オープンMRI装置はモニターとして使い、ヘルニア状態の部位や脊髄、血管などの位置を確認しながら、最適な部位にレーザーを照射する。従来はエックス線で部位を確認した後、レーザーファイバーを挿入していた。ただ骨以外の写りがよくなかったため、レーザーを最適な部位に当てるのが難しかった。脊髄や大動脈を傷つけたり、被爆する問題もあった。
MRIは、それらを解決した。ただ全ヘルニア患者が対象になるわけではない。効果のない患者は除かれる。
柏病院では、六十五歳以下の線維輪の破裂を伴わず、座骨神経痛など神経症状が六週間以上続いている人が対象。外来患者三十―二十人のうち一人ぐらいの割合という。
対象外は(1)ヘルニア部分がキノコの傘のように大きく、へこむ可能性が低い(2)椎間板の水分が少ない(3)手術の際、およそ三十分間うつぶせ状態で寝ていられない―など。
手術時間は約三十分。入院は通常一日。神経症状は一カ月ぐらいで改善する人が多いという。
■治療は若者中心
厚労省が一九九八年、高度先進医療に承認して以来、治療した患者は昨秋、七百人を超えた。その四分の三は男性。二十代―三十代の若者が中心だ。そのうちデータをまとめている三百四十人に限ると、症状が解消した、痛みやしびれは少し残るものの、社会復帰できた―が約90%を占める。主に脚のしびれや痛みが消える。
一方、合併症は三百四十人中三人。椎間板の炎症二人、皮膚の血腫一人で保存療法で治った。
手術から一週間後と一カ月後に経過観察する。高度先進医療に認められているため公的医療保険が一部適用され、検査や入院、薬などを含め通常二十三万円ほど要る。
(熊本日日新聞2006年8月30日付「夕刊メディカル」)
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