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心臓病手術 症例多い施設で
日本大医学部・心臓血管外科 南和友教授に聞く
 世界的な心臓血管外科医で、国内外での執刀数が二万件を超える日本大医学部・心臓血管外科の南和友教授が講演のため来熊した。ドイツで三十年間、心臓治療の第一線で活躍してきた南教授に予防や治療の注意点、日本の医療の問題点などを聞いた。(梅野智博)

心臓移植を待つ患者、家族と話す南和友・日本大教授=熊本市
 ―心臓病は、がんに次いで死亡原因の二位。二〇〇五年には十七万千人が亡くなっている。

 「心臓病には、心臓そのものに問題がある場合と、心臓の筋肉に血液を送る血管が狭くなっている場合など、さまざまな種類がある。症状では胸の痛みや不整脈、疲れやすい、手足のむくみなどが代表的だ。ただ、五人に一人は自覚症状がない。健康診断では分からないことも多いため、不安がある人は心臓ドックなどで心臓そのものの検査を受けてほしい」

 ―予防の心がけは。

 「生活習慣の改善を心掛けてほしい。肥満や高血圧症、糖尿病の人はリスクが高くなる。たばこは血管の緊張を高めて動脈硬化を進めるし、ストレスも心臓に負担をかける。心臓は体重七十キロの人だと、一日に七千二百リットルの血液を体に送り出している。その量はバスタブで四十杯、バケツだと七百杯を超える。心臓は最も酷使されている臓器だ。大切にしてほしい」

 ―最近は動脈硬化で血管が狭くなり、心臓の動きが悪くなる虚血性心疾患が増えている。治療法は。

 「管を使って狭くなった血管を元に戻すカテーテル治療や、手足の血管を移植して血液の流れを回復させるバイパス手術などがある。狭くなった部分が四、五カ所もあれば、バイパス手術の方が回復も早い。残念ながら国内では、数回のカテーテル治療の後、結局バイパス手術を受けた患者もいる。治療を受けるなら、内科医と外科医が一緒に症例を検討して、治療計画を立てている医療機関を選ぶべきだ」

 ―病院選びで、さらにアドバイスを。

 「心臓手術を受ける場合は、症例数が豊富な医療機関を選んでほしい。心臓外科医は訓練を積まないと上達しない。欧米では年間で千例、二千例の手術をしている施設も少なくないし、そうした病院では死亡率も非常に低い。一方で、国内には六百もの心臓外科の施設があり、欧米に比べ手術件数が分散している。病院選びでは、必ず手術件数を確認してほしい。また、入院日数が短い施設を選ぶことも大切だ」

 ―心臓そのものに重い障害があると移植しか治療法がない場合がある。

 「心臓移植は欧米では当たり前のように行われている。だが、国内では臓器の提供がほとんど望めず、ドイツなどに渡航して移植するしかない。とても異常なことで、残念だ。移植医療の必要性を広く知ってもらい、多くの心臓病患者が社会復帰できる世の中に変えていきたい」

 ◇南和友(みなみ・かずとも) 1946年大阪府生まれ。76年にドイツ・デュッセルドルフ大胸部血管外科へ留学。同大講師、バード・ユーンハウゼン心臓病センター主席心臓血管外科医、ボッフム大臨床教授を歴任。2004年に同大永代教授。心臓手術は約2万件、心臓移植は約800件の症例数がある。京都府立医科大卒。著書には「こんな医療でいいですか?」(はる書房)など。

 (くまにちコム「健康・医療」2007年4月28日付)
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