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高感度CRP検査 心筋梗塞を超早期に予知
 体のどこかに炎症や組織の崩壊が起こると、血液中に「C反応性タンパク」(CRP)という物質が大量に現れる。体の変調を事前につかめるため、健康診断の血液分析に「CRP」という項目が入っている場合もある。

 最近は、測定機能が大幅にアップした高感度CRP測定装置や高感度CRP測定試薬が開発され、心筋梗塞(こうそく)を超早期に予知できるようになった。

 急性炎症は千倍にも

 CRPは肝臓で生産される。体のどこかに急性炎症が起こると二十四時間以内に急増し、通常の千倍の濃度になり、体の異常の早期発見に役立っている。

 関西医科大(大阪府守口市)の高橋伯夫教授(臨床検査医学)は「CRPは、細菌などの異物が起こした炎症部分に集まって“目印”となり、白血球などの免疫細胞が攻撃して体を守る際の助けとなっているらしい」と指摘する。

 特定の病気を見つけることはできないが、感染症や自己免疫病、がん(悪性腫瘍)ができた場合など、多くの病気でCRP値は上昇する。このため、病気の早期発見や重症度、経過を判断する目安にもなる。

 健康診断では、CRPの基準値(正常値)は陰性または一デシリットル当たり〇・三ミリグラム以下と表示されてきたが、最近は測定値そのものを表記する健診機関も増えている。

 隠れた慢性炎症

 「炎症で千倍も急増するので、逆に低いレベルでは何が起こっているのか、覆い隠されて、これまで分からなかった」。高橋教授は、そう説明しながら続ける。「高感度CRP測定装置では同〇・〇一ミリグラムまで正確に測れるようになり、これまで健康とされてきた人でも、異常が潜んでいることが分かってきた」

 動脈硬化の人は、CRPが普通の人より結構、高い。「つまり、最近は動脈硬化が慢性の炎症ということが分かってきた。血管のごく一部の炎症のため、従来の検査では全く引っ掛からなかった」と高橋教授。

 高感度CRPのデータが集まり始めた結果、健康な人の基準値は、同〇・〇四ミリグラム以下ということが分かってきたという。高橋教授は「最近のデータで同〇・三ミリグラムを超える人は、明らかに将来、心筋梗塞などを起こしやすく、生命予後(将来の健康状態)が悪いことが明らかになってきた」と話す。

 ただ済生会熊本病院(熊本市)健診センターの春田昭一・検査主任は「CRP値だけをみて即、心筋梗塞などを起こしやすいとは断言できない。あくまで感染症などがないのを実証したうえでの話」と念押しする。

 画期的な方法に

 イタリアのデータでは、心筋梗塞を患い退院した人を対象に高感度CRP検査で追跡した結果、同〇・三ミリグラムを境に、CRP値が低い人は冠動脈の再狭窄(きょうさく)の再発率も低く、値が高い人は八倍も再発率が高かった。

 高感度CRPでは、糖尿病や肥満、喫煙、加齢でもCRP値が上昇することが次第に明らかになっている。CRP値とコレステロール値などのデータを合わせると、より明確なリスクが分かる。しかしCRP値が高い人でも治療方法はある。高橋教授は「アスピリンやスタチン系の薬など、CRPを下げるいい薬が結構ある。検査値をガイドにしながら治療を続ければ、そのままだったら起こるはずの心筋梗塞を未然に防げる画期的な方法になるだろう」と言っている。

  (熊本日日新聞2003年1月7日付夕刊)
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