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補助人工心臓の開発 移植に代わる可能性も
 東京女子医科大(東京都新宿区)の山崎健二・心臓血管外科講師らが、早稲田大やサンメディカル技術研究所(長野県諏訪市)などと約十五年かけて補助人工心臓を開発し、臨床試験に取り組んでいる。

 臨床試験は、東京女子医科大と国立循環器病センター(大阪府吹田市)が二〇〇五年五月、薬物療法で回復しない重症心不全の患者計三人に始めた。補助人工心臓を埋め込んだ患者は強心剤が要らなくなり、退院して小旅行も可能になった。 研究所(長野県諏訪市)などと約十五年かけて補助人工心臓を開発し、臨床試験に取り組んでいる。

 今年六月、大阪大付属病院(大阪府吹田市)、埼玉医科大病院(埼玉県毛呂山町)も臨床試験に参加し、計四施設、患者十六人になった。「良好な成績を積み重ね、厚生労働省の承認を早期に得たい」。山崎講師はそう話しながら強調する。「日本では心臓移植の提供者が限られ、ほとんどの患者は移植を受けられない。補助人工心臓は移植の代わりになる可能性がある」

 補助人工心臓治療の対象は移植でしか助からない重症心不全の患者。国内で年間二千〜三千人、米国で年間五万〜十万人とされる。心臓移植は、病人の心臓を摘出し提供者(ドナー)の心臓に入れ替える。一方、補助人工心臓は、心臓を残したままポンプを心臓の下側に埋め込む。収縮力の弱くなった左心室から血液を取り出し、ポンプで上行大動脈に送り出す。弱った左心室の働きを機械が補助するわけだ。

 米国で重症心不全患者を対象に補助人工心臓と薬物療法の臨床試験を実施し成績を比べた。生存率は、薬物療法群で一年後25%、二年後8%。補助人工心臓群で一年後52%、二年後23%。FDA(米食品医薬品局)が補助人工心臓治療を承認するきっかけになった。

 ただ、この臨床試験では、埋め込み後二年を超えると装置の故障や感染症、脳血管障害など合併症から大半の患者が死亡した。これを改善するため、一定の速度で羽根車を回転させる遠心ポンプを採用。大きさ、重さを従来の拍動型ポンプの二分の一〜三分の一にして小型軽量化した。人工弁も要らないため、構造が単純で血栓症や感染症のリスクが低い。ポンプは体外の携帯バッテリーに接続するが、一回の充電で八〜十時間使える。今後、米国でも臨床試験の承認を申請するという。

  (熊本日日新聞2006年9月20日付夕刊メディカル)
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