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内臓脂肪型肥満 減量だけで相当の改善
 内臓の周りにたっぷり脂肪が付く内臓脂肪型肥満は、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中といった危険な病気を引き起こす。ただ内臓脂肪は、預金に例えると“普通預金”で、生活習慣の改善によって減らせる。

血圧改善のための生活習慣
食塩摂取を1日6グラム未満に
野菜・果実の積極摂取
コレステロールや飽和脂肪酸摂取を控える
適性体重の維持:BMI<25
運動:軽度の有酸素運動を毎日30分以上を目標に(心血管病がない場合)
飲酒制限:エタノールで男性は1日に20〜30ミリリットル以下、女性は10〜20ミリリットル以下
禁煙
生活習慣の複合的な修正はより効果的
(高血圧治療ガイドライン2004より)
 肥満は、内臓脂肪型肥満と、皮膚下の脂肪が多い皮下脂肪型肥満がある。見分ける目安は、へその高さの腹囲(腹回り)。男性は85センチ、女性は90センチを超えているなら内臓脂肪型肥満の可能性が高い。

 要注意は高血圧

 この数字以上の腹囲で、血圧、血糖、血中脂質のうち2つ以上が基準値を超えた状態だと、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と呼ばれる。各症状は軽くても動脈硬化を著しく進行させ、心臓病など命にかかわる病気の原因になる。

 肥満症、高血圧症、糖尿病、高脂血症という危険因子4つのうち、1つも持たない人の心臓病(心筋梗塞や狭心症)発症率を1とすると、2つの人は5・8倍。3つ以上の人は35・8倍に上る。中でも要注意なのは高血圧だ。高血圧症は収縮期140/拡張期90だが、メタボリックシンドロームの診断基準は130/85と厳しく設定されている。

 東京大の藤田敏郎教授(腎臓・内分泌内科)によると、高血圧患者はやせていても、腹がぷっくり出ている人が多く、40%―50%はメタボリックシンドロームという。正常血圧の人より内臓脂肪が1・5倍以上蓄積しているとの報告もある。さらにインスリンが効きにくいインスリン抵抗性になり、インスリンの分泌量も増えるとされる。

 ただ内臓脂肪は皮下脂肪より減りやすいのが“救い”。生活習慣を見直し、減量(ダイエット)するだけでも相当の改善が望める。

 1日平均50グラム減量

 ダイエットは、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようにするのが原則で、食事と運動の自己管理が欠かせない。大幅な減量目標は禁物。1日平均50グラムずつ、ゆっくり減らし、今の体重の5〜10%減量を目標とする。事実、10%減量すると血圧や血糖値が下がる効果を期待できる。

 食事は、夕食の摂取カロリーをご飯1杯分の約300カロリー減らし、低カロリーの海藻などを食べて腹を満たす。運動は1日1万歩の徒歩。大切なのは日々のチェックで、朝の体重と夕食後の体重差が600グラムを超えている場合は、夕食などの食べ過ぎが考えられるので、超えないようにする。

 体重測定は朝のトイレ後と夕食後の1日2回。50グラム単位で量れる体重計の方が、こまめに体重を管理できる。毎朝、体重が前日朝より50グラム減を目指す。

 食事は規則正しく1日3食。野菜を多く取り、腹八分目。食事の時間は30分程度をめどにゆっくり。間食や夜食はしない。毎日、体重や腹囲を測り、3カ月間で5〜10%の減量が目標だ。

 一方、運動は1日30分ほど、軽く汗ばむウオーキングなどを週3回。1日に10分のウオーキングを3回でもいい。さらに日常的に体を動かすよう心掛け、エレベーターより階段、近い場所は車より徒歩―などにする。

 減量後は、内臓周辺の脂肪細胞からの生理活性物質の分泌が正常化され、高血圧、高脂血症、糖尿病も改善される。

 (熊本日日新聞2006年5月31日付「夕刊メディカル」)
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