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女性に多い心筋梗塞死 死亡率、男性の3倍 県内
県内の主な公的医療機関で昨年夏に発足した熊本心筋梗塞(こうそく)研究会がこのほど、県内の心筋梗塞の発症状況を初めて調査、かねてから指摘されていた女性の死亡率の高さを統計で裏付ける結果を得た。全国的にも貴重な資料で、予防や治療体制に役立つ基礎資料として注目を集めそうだ。
冠動脈をカテーテルで拡張する「冠動脈インターベンション」の様子。急性期の心筋梗塞患者の約80%は同手術を受けるという(熊本大付属病院循環器内科医局提供)
熊本心筋梗塞研究会の構成医療機関
熊本大付属病院
熊本赤十字病院
済生会熊本病院
熊本中央病院
国立病院機構
熊本医療センター
熊本市民病院
熊本地域医療センター
熊本機能病院
荒尾市民病院
公立玉名中央病院
植木町立病院
再春荘病院
八代総合病院
熊本労災病院
上天草総合病院
天草地域医療センター
人吉総合病院
公立多良木病院
水俣市立総合医療センター
同研究会は、熊本大付属病院循環器内科の小川久雄教授の呼び掛けで結成。近年急増している同疾患に関する情報を共有して治療などに役立てようと、梗塞を起こした冠動脈をカテーテルで拡張する「冠動脈インターベンション」が実施できる県内19の医療機関で構成している。取り組みの第一弾として基礎資料になる発症状況を調べた。
同様の調査は都道府県ごとにまとめた報告もあるが実態とかけ離れたケースが大半といわれ、基礎資料は全国的に不足しているという。同研究会の19機関には県内の心筋梗塞患者のほとんどが搬送されるため同研究会は、「実態をほぼ正確に反映している」としている。
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原因は分からず
調査したのは2004年分。それによると、全体の発症は1083人で、うち男性は715人(66%)、女性は368人(34%)だった。平均年齢は男性67・3歳、女性76・1歳。県内の人口10万人当たりの発症率は全体で58・5だった。一方、心筋梗塞で入院中に死亡した76人のうち男性は31人、女性は45人と死亡者は逆に女性が多かった。発症者に対する割合は男性の4・34%に対し、女性は12・23%と3倍近くも高かった。
男性より痛みに強い女性は、医療機関の受診が遅れるケースが多いことで高い死亡率につながっていると以前から指摘されており、調査はそれを裏付けた格好。海外の統計でも女性の死亡率は高いが、医学的な原因は分からないという。
調査のコーディネート役を務めた熊本大付属病院循環器内科の小島淳助手によると、女性は閉経後、総コレステロール値が血液1デシリットル当たり20ミリグラム程度上がることが分かっており、発症のピークは男性より10年ほど遅れる。「このことが死亡率にどう影響しているのか今のところ分からず、今後の研究課題」と小島助手は説明する。
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食生活改めて
心筋梗塞の発症要因としては高血圧や喫煙、糖尿病、ストレスなどが挙げられる。中でも同研究会が注意を促しているのが食生活だ。小島助手は「日本人も欧米人並みに脂質の多い肉を食べる機会が増えているが、改めるべき。塩分を控えたり魚を多く食べることが大切だ」と呼び掛ける。
また日ごろの自己管理として小島助手が重視するのが、健康診断時などでの総コレステロール値。日本人とアメリカ人の総コレステロール値は、同一年齢では日本人が高いとの報告もあるという。正常値は男女ともに血液1デシリットル当たり220ミリグラム以下で、既往歴や同じ疾患の親族がいる場合は180ミリグラム以下が好ましいとされる。
小島助手は「今回の調査で県内の発症状況の全体像が分かったのは意義深い。今後は地域ごとの発症や死亡状況を分析することで治療体制の充実につなげられるのではないか。女性は特に、胸が痛くなったり苦しいといった異変を感じたら早く医療機関を受診してもらいたい」話している。
調査結果は3月に名古屋市で開かれる日本循環器学会で発表される。
(熊本日日新聞2006年2月14日付朝刊くらし面)
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