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妊婦の歯周病 早産などリスク高まる

 歯周病は、歯にとどまらず、全身のいろんな病気に悪影響を与えると指摘されている。米国などでの調査では、妊婦が歯周病を治療したら、早産や低体重児出産のリスクが20%以上も低下したという。

 歯周病は、歯と歯茎の間にできるポケットと呼ばれるすき間で、細菌が繁殖して炎症を起こす。進行すると、歯を支えている骨を溶かし、歯をなくす原因になる。

 また細菌が放出するさまざまな物質が、血液中に流れ込み全身を巡る。その結果、動脈硬化や糖尿病、妊婦の早産や低体重児出産といった悪影響を及ぼす。ただ自覚症状がほとんどなく、放置されやすいのが現状だ。

 米国では、ノースカロライナ大の研究グループなどが、歯周病の妊婦百九人を、歯石除去して日常ケアに電動ブラシを使う群と、治療せずに日常ケアは歯磨きの群に分けて調べた。

 歯石除去群は、歯垢(しこう)内の細菌や炎症を起こす血中の生理活性化物質「サイトカイン」が減り、早産リスクが約四分の一まで低下したという。

 歯周病が早産誘発や低体重児出産につながるメカニズムを、北海道医療大病院(札幌市)の古市保志・歯学部教授は、こう考えている。口の中で歯周病菌が増えると免疫のバランスが崩れ、免疫細胞から血中にサイトカインがでる。サイトカインが過剰にでると炎症が起こり、歯肉や歯骨を壊す酵素がでる。血中のサイトカイン濃度の高まりは、妊婦の体内では子宮筋を収縮させる”合図”になる。

 妊婦が歯周病の場合、正期産以前(妊娠三十七週未満)に血中のサイトカイン濃度が高まって、子宮筋を収縮させる合図になり、切迫早産や低体重児出産につながる。

 古市教授が、正常妊娠・正期産群と切迫早産状態群を比較したところ、切迫早産状態群の妊婦の方が、歯周病菌数は約四・五倍、血中サイトカイン量は約十四倍多かったという。

 妊娠期間の長さと、歯茎の状態やサイトカイン濃度との間には、明らかな相関関係がある。女性が妊娠を望むなら、歯周病をチェックして、り患しているなら早めの治療が大切だ。

  (熊本日日新聞2006年6月28日付「夕刊メディカル」)
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