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歯周病予防 歯ぐきも忘れずていねいに ブラッシングが基本
メタボ、喫煙要注意 全身に影響も
 歯ぐきがはれて出血し、放っておくと歯がぐらぐらして、ついには抜けてしまう歯周病。最近はメタボリックシンドロームとの関係も注目されている。日本歯周病学会は設立五十周年の今年、歯周病予防のフォーラムを開催した。

 山田了東京歯科大教授は「国民の七割は何らかの歯周病の症状がある。予防と、自覚症状がない初期からの対策が重要」と言う。

 粘着性の塊が付着

 歯周病の原因は細菌(歯周病菌)で、歯ぐき(歯肉)や歯が埋まっている骨(歯槽骨)が炎症を起こす。

 炎症が歯ぐきだけにとどまっている「歯肉炎」の段階から、ゆっくり骨へと広がって「歯周炎」になり、歯槽骨が徐々に破壊されて、歯が抜けてしまう。進行した症状をかつては「歯槽膿漏(のうろう)」と呼んでいた。

 歯周病菌は空気を嫌う嫌気性の細菌で、粘着性の塊「プラーク」となって歯に付着する。放っておくとプラークは硬い歯石になってたまる。

 歯と歯ぐきの間にはもともと浅い溝があるが、歯石がたまると歯肉炎が起き、溝が深くなって「歯周ポケット」ができる。すると、そこにさらにプラークや歯石がたまりやすくなり、歯周ポケットがまた深くなる悪循環に陥るのだ。

 たばこは歯の大敵

 中川種昭慶応大教授は「プラークがたまらないよう、毎日ていねいにブラッシングすることが歯周病予防の基本。歯科医で正しい歯と歯ぐきの磨き方を習うとともに、歯石除去をしてほしい」とアドバイスする。

 ブラッシングをしていても歯の大敵となるのがたばこだ。

 埴岡隆福岡歯科大教授は「二〇〇三年の厚生労働省調査では、喫煙で歯周病の危険が増すことを知っているのは36%と低い」と指摘した。

 埴岡教授らが、厚労省の歯科疾患実態調査結果などを分析したところ、五十代以上では、喫煙者は非喫煙者より抜けてしまった歯の本数が五本前後多かった。

 たばこの煙に含まれる物質が歯肉の炎症を悪化させ、歯ぐきの血管を収縮させることが原因とされる。埴岡教授は「歯周病を治療しても、喫煙者は非喫煙者より効果が少ないことが多い。まず禁煙してほしい」という。

 薬の副作用でも

 「歯周病は糖尿病を悪化させ、逆に糖尿病だと歯周病になりやすい」と西村英紀広島大教授。

 歯周病菌がつくる毒素が、インスリンの働きを妨げて高血糖を悪化させる。一方で糖尿病では免疫機能が低下し、さらに血糖値が高い状態なので歯周病菌が繁殖しやすい。これも悪循環だ。

 西村教授は「歯周病は単に歯の病気ではなく、全身へ影響する疾患。特にメタボリックシンドロームとその候補生たちは要注意」という。

 歯周病の思わぬ原因は薬の副作用だ。消炎鎮痛剤、ステロイド剤、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中を防ぐ抗凝血剤、などさまざまな薬は、唾液(だえき)の分泌抑制、歯ぐきから出血しやすくなる、などの副作用があるので、服用の際は注意が必要だ。

(熊本日日新聞2007年11月24日付朝刊)
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