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口内の健康度表す「口腔年齢」 虫歯予防に役立つデータ
 口の中の健康度を表す「口腔(こうくう)年齢」。虫歯の本数で口内の状態を表すのに対し、口腔年齢は歯と歯茎の健康状態を「年齢」として表す。実年齢の平均的データと比べて自分はどうなのか―。口腔年齢が出ると、次にどの歯が虫歯になりやすいかが、従来のデータから分かるので予防にも役立つ。

 自動的に算出

 口腔年齢は、大阪歯科大大学院の神原正樹教授が考案した。企業の歯科検診を続けるうちに、虫歯の本数ではなく、歯や歯茎に興味を持ってもらえる方法として考えつき、パソコンのソフトとして作り上げた。口腔年齢は、歯と歯茎の健全度を総合的に調べて年齢を算出する。

 歯は一つ一つ虫歯があるか、健全な歯かどうかをチェック。歯茎は六つのブロックに分けて、(1)炎症の有無(2)歯石の有無(3)歯周ポケット(歯と歯茎の間のすき間)が浅いもの(4)歯周ポケットが深いものの四段階に分類して調べ、パソコンにデータを入力すると自動的に口腔年齢が分かる。

 年齢の基準となる日本人の平均的データは、歯は六年ごとに実施される歯科疾患実態調査、歯茎の歯周病は、阪神・淡路大震災後に実施した住民歯科検診の数万人分の情報が基になっているという。

 60代で「17歳」

 「口腔年齢を高めるのは、口の中の汚れ」。そう指摘する神原教授は続ける。「汚れがきちんと取り除けていないと、細菌によって虫歯ができてしまう。細菌が繁殖すると歯茎に炎症が起き、歯周病を引き起こす」。

 歯周ポケットは、すき間が深くなるほど口腔年齢は高くなる。もちろん、虫歯が多いほど、歯周病が進んでいるほど口腔年齢は高い。

 歯科検診で実際に使用したところ、きれいな歯と歯茎を持った六十七歳の男性が、前歯に多少欠けた部分はあったものの、口腔年齢は「十七歳」と診断されたケースがあった。半面、二十歳前後の男性が口腔年齢「五十歳」と診断され、歯医者に飛んでいったこともあるという。

 口腔年齢が出ると、その後の歯の抜け方を予想するシミュレーションもできている。動画で次々と歯が抜けていく様子が映し出される。

 歯の汚れを取る

 口腔年齢の利点は、口の中の汚れを取ると「若返り」も可能なことだ。神原教授は「口の中を若く保つ最も重要なポイントは歯の汚れを取り除くこと。歯の汚れは生活習慣と密接にかかわっており、毎日の生活をどう改善していくかが大事」と強調する。

 歯のブラッシングも表面だけでなく、歯と歯、歯と歯茎の間など、汚れがたまりやすい場所に角度、方向を考えて歯ブラシをあて、丁寧に磨く必要がある。一方、歯石の除去は、専門家の助けが要る。歯科医院でのクリーニングが欠かせない。

 神原教授は「口腔年齢を利用することで、これまで欠けていた患者と歯科医のコミュニケーションが進み、歯を大事にしてもらえるのではないか。現在は成人が中心だが、今後は学童用の口腔年齢を作ろうと思っている」と言っている。

  (熊本日日新聞2002年10月1日夕刊掲載)
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