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| 口腔乾燥症 唾液腺刺激の新薬も |
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「最近、のどがひりひりする」「口内が乾いて仕方がない」。こんな症状が続いていたら、口腔(こうくう)乾燥症(ドライマウス)かもしれない。いろんな原因で唾(だ)液が出にくくなる病気だ。
初期症状は、やたらと口の中が乾燥し、不快感に襲われる。そのうち唇がひび割れしたり、舌がひりひりし出し、口の中全体に潤いがなくなっていく。
■シェーグレン症候群
「ひどくなると、舌や口腔内に炎症や白斑が現れ、さらにはひび割れや出血ということにもなる」。慶応大医学部歯科口腔外科の角田博之医師はそう指摘する。ドライマウスの診断は「ガムテスト」を使う。味のないガムをかんで唾液腺を刺激し、十分後に唾液の量を測る。普通の人は二十CC前後になるが、半分の十CCを切るあたりからドライマウスの症状が出始める。
角田医師によると、六十四歳の女性Aさんは、一年ほど前から舌のひりひり感と味覚の異常が続いた。ガムテストで、唾液が通常の八分の一程度の二・五CCしか出てこなかった。精密検査の結果、ドライマウスの原因の中では注意が必要なシェーグレン症候群と分かった。
シェーグレン症候群は、体外からの異物を排除する免疫機構が自分の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患。女性に多く、患者は十万〜三十万人といわれる。
■重要な唾液の作用
Aさんは、リウマチなど他の自己免疫疾患はなかったが、唾液腺だけでなく、涙腺にも障害があり、涙が少ないドライアイにもなっていた。ドライマウスの場合、まずシェーグレン症候群と薬物が疑われる。精神安定剤などの薬で口内が乾燥するケースが多いという。さらに原因は、加齢による唾液腺の委縮や放射線治療、糖尿病、自律神経障害など多岐にわたる。
「最近、虫歯や歯周病がひどいということで見つかることもある」。そう話す角田医師は続ける。「唾液はのどに潤いを与えるだけでなく、洗い流す作用や抗菌作用もある。口内が乾燥すると、小さな傷がたくさんできて歯や歯茎もどんどん悪くなる」
乾燥がひどくなると、食事を取ることもうまくできず、話すこともおっくうになる。乾きで夜眠ることすらできなくなる場合もある。
■有効な治療薬も
治療は対症療法だが、これまではうがい薬でうがいを繰り返したり、スプレー唾液が利用されてきた。スプレー唾液は簡単で虫歯を防ぐ作用があるが、すぐ効果がなくなる欠点があった。
そんな中、昨年十二月、副交感神経刺激薬(コリン作動性薬)の塩酸セビメリン(商品名「サリグレン」「エボザック」)が発売された。唾液腺に存在するムスカリン受容体を刺激し、唾液を出して口腔乾燥を改善する。かなり高い有効率を示すデータが出ているという。ただ心悸亢進(しんきこうしん)、下痢、発汗といった副作用の可能性もある。
さらに海外で人気の高い米ラクリード社の口内塗り薬「オーラルバランス」をティーアンドケイ(東京都中央区)が輸入、既に販売している。チューブ入りの透明なゲル状で、指先で塗るか、舌先に乗せて口内を巡らせる。少し甘めだが、効果は四〜五時間続くため、患者の間では「会話が楽になり、朝まで目が覚めずに眠れる」という声も出ている。
ティーアンドケイは(電)03(5640)0233。
(熊本日日新聞2002年4月16日夕刊掲載) |
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