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| オルソケラトロジー 寝ている間に視力矯正 |
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寝ている間に視力を回復させる米国発の近視矯正術「オルソケラトロジー」。国内では臨床試験中だが、眼科医の間では賛否が割れている。
近視は、水晶体の厚さを調節できない調節性近視と、眼球の軸が前後に長くなる軸性近視がある。どちらもピントを合わせる網膜の手前で焦点が結ばれるため、像がぼやける。眼鏡やコンタクトレンズで矯正するのが一般的だが、最近はレーシックやオルソケラトロジーで視力を回復させる人もいる。
レーシックは人気の米プロゴルファーが試みて有名になった。角膜をレーザーで削り近視を矯正する。ただ一度手術すると角膜は元に戻らない。
一方、オルソケラトロジーは、寝る前に中央部が平らな形のコンタクトレンズを装着し、朝起きたらレンズを外す。症例数が豊富な吉野眼科クリニック(東京都台東区)の吉野健一院長によると、毎晩、寝てる間に角膜中央部の表面を少しずつ圧迫することで焦点を徐々に合わせていく。
角膜の厚さは約〇・五ミリ、表面は厚さ約〇・〇五ミリの上皮細胞層で覆われている。角膜の屈折力は水晶体の二倍あり、薄い上皮細胞層をわずかにへこませると焦点を正常な位置に矯正できるという。角膜の形は個人差が大きいため角膜のカーブを測ってレンズを装着し寝てもらうなど、検査を繰り返し、適したレンズを選ぶ。
強い近視や乱視の人は十分な効果は期待できない。臨床試験中で公的医療保険が効かず、費用は十五―三十万円程度。眼科医以外が扱い、角膜感染を起こした例もある。証明されていない近視の抑制効果を強調し子供に勧める医療施設も。
「眼鏡やコンタクトレンズで矯正できるのをリスクを負ってまで、一時的な改善を得ることに積極的な意味はない」。そう断言する眼科医も少なくない。
ただパイロットや消防士など職業上から裸眼視力が必要な人、近視が進行中の若者などは試みる価値もある。吉野院長は「最新の治療法なので、長期的な予後は確立されていない。派手な宣伝に惑わされず、オルソケラトロジーに詳しい眼科医と十分相談し判断してほしい」と強調している。
(熊本日日新聞2006年8月30日付「夕刊メディカル」)
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