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国内初の核酸医薬承認、ファイザーの「マクジェン」
 厚労省は、ファイザー社(東京都渋谷区)が申請していた眼科の加齢黄斑変性症治療薬「マクジェン注射用キット」(一般名ペガプタニブナトリウム)の製造販売を承認した。

 この薬剤は、核酸医薬と呼ばれ、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)をつくる塩基配列の組み換え技術を使う。通常の化学合成薬品と一線を画したバイオ医薬品の一つ。化学合成薬品と違い、後発医薬品(ゼネリック医薬品)の追随が難しく、ベンチャー企業も巻き込んで世界の大手医薬品メーカーによる開発競争が進んでいる。

 VEGFの作用阻害

 ファイザーの「マクジェン」は、厚労省が承認した国内初の核酸医薬。高齢化して、網膜の中央部にある黄斑と呼ばれる部分に異常な血管が数多く発生、血液などが漏出する。その結果、視野の中央がよく見えなくなり、視力が急速に低下する。

 マクジェンは、眼内の異常血管の新生に深く関与しているとみられている血管内皮細胞増殖因子(VEGF)にのみ働き掛けて作用を阻害する。

 このように病気の原因になる物質や遺伝子を特定し、その標的とだけ結び付くなどの方法で効果を発揮する。標的タンパク質と特異的に結合する能力のある核酸分子はアプタマーと呼ばれる。

 「薬物デリバリー」

 核酸医薬は、化学的に合成可能なため開発コストが低いうえ、特定の病気に絞った薬剤をつくれるため、副作用が小さいとされる。

 半面、核酸、特にRNAは生体内で分解されやすい。このため効果(薬効)を十分に発揮する前に、生体内で分解されないよう安定させておく必要がある。さらに核酸を静脈に単独投与しても対内で分解されて体外に排出、患部に到達しにくい「薬物デリバリー」の課題が残っている。

 バイオ医薬品では、ヒトの免疫のシステムに着目した抗体医薬の研究開発が進んでいるとされる。しかし抗体医薬は、動物の細胞などを使って生物学的に製造するため、コストが割高で抗原性の問題も残る。抗がん剤の分野では、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)を標的にした抗体医薬「アバスチン」(一般名ベバシズマブ)が、大腸がんなどの治療に使われている。(南里秀之)

(くまにち「健康・医療」2008年7月19日付)

 
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