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緑内障 眼圧下げ進行食い止める
 緑内障は、知らない間に視神経が傷つき、視力が低下する。世界の患者数は7000万人以上と推定され、失明原因の2位を占める。

 この病気は、眼球の形を維持するため内部にたまっている「房水」という液体が多くなりすぎ、視神経を傷付けて起こる。患者は、房水の出口になる隅角(ぐうかく)が広くなる開放隅角緑内障が最も多い。これは、眼圧が高い原発開放隅角緑内障(POAG)と正常な眼圧の正常眼圧緑内障(NTG)に分類される。リスクファクター(危険因子)は、家族歴や高血圧、糖尿病、加齢などだ。人種の違いも影響する。

 「米国ではPOAGが、日本ではNTGが多い。人種では黒人とカリブ系の人たちの発症が目立つ」。米ファイザー社の所属医師は指摘する。米国の治療指針で発症の注意年齢は55歳だが、黒人とカリブ系は、日本人並みの40歳への引き下げを検討中だ。2001年から2年間、岐阜県多治見市で実施された疫学調査では、日本人は40歳以上の人の17人に1人が緑内障と報告されている。

 米国の指針作成は20年ほど前で、当時は大半の人が手遅れになるまで治療しなかった。ところが、その後、眼圧を下げる目薬で進行が抑えられることが判明、NTGでも効果が確認された。

 ただ緑内障の患者が、症状初期に気付くのはまれだ。欧米では患者の半数は緑内障と知らずに治療していない。今後は高齢化社会の深刻化に伴い、さらに患者は増えるとみられる。このため米国では、老眼鏡を作る際は緑内障の検査を、というキャンペーンを繰り広げている。

 米ファイザー社は、緑内障の発症リスクを割り出す計算尺を開発、一般の医師に配布している。診断をサポートするためで、発症リスクはさまざまな危険因子の状態からはじき出す。どの程度の高眼圧症患者がPOAGに進行するかを調べた研究をベースに開発しており、一般の医師に役立っている。

 緑内障治療の基本は薬物治療。傷ついた視神経は回復しないので、点眼薬で眼圧を下げ視神経への負担を少なくして、進行を食い止める。

 (熊本日日新聞2006年6月14日付「夕刊メディカル」)

 
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