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| 増えている正常眼圧緑内障 |
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日本人の失明原因のトップは緑内障だ。眼球から脳に視覚情報を送る視神経が傷つけられて視野が欠けていく。高い眼圧によって視神経乳頭という部分が長い間圧迫された結果、視神経に支障が出る。ところが日本人では眼圧は正常範囲でも、視神経が侵される「正常眼圧緑内障」が緑内障全体の約70%を占める。視神経が耐えられる眼圧には個人差があり、視神経が傷つかない眼圧値(健常眼圧)は人によって異なる。
■17人に1人
日本緑内障学会が2000〜01年にかけて岐阜県多治見市で実施した疫学調査(多治見スタディ)によると、40歳以上の日本人の約17人に1人は緑内障と報告された。視神経は一度侵されると、元に戻らないため、放置し続けると失明してしまう。ただ両眼で物を見るため、初期段階で気付く人は稀(まれ)という。
緑内障の発症要因はいくつかある。眼圧はその一つ。眼圧が上がると網膜でとらえた像を信号に変換して脳に伝える視神経と視神経乳頭が圧迫され、視野が次第に欠けていく。
眼球内には角膜や水晶体などに栄養を運んだり、老廃物を排出する房水という液体がある。房水は、毛様体という部位でつくられ、虹彩と角膜の境目(隅角)にある線維柱帯などを通って排出される。この排出口の線維柱帯が詰まるなどして房水の排出がうまくいかないと眼圧が上がる。
■日本人の平均眼圧は13.5mmHg
正常眼圧の値は、一般的に10〜21mmHgとされている。ただ、この基準値は欧米の統計が基になっており、多治見スタディなどによると日本人の眼圧は平均13・5mmHgで、欧米人より低いとされる。
正常眼圧緑内障の患者が多いのは、眼圧に対する視神経の抵抗力の個人差によることから、一般的には正常眼圧範囲とされる眼圧でも、視神経が傷つけられてしまっている人がすくなくない結果とみられる。このため正常眼圧という考え方に代わって、個人で異なる健常眼圧という考え方を採り入れて眼圧を診るようになっている。
■40歳以上は年1回検査
主な検査は3つ。まず眼圧検査。点眼麻酔をして測定器を眼球に当てて測る方法と空気を吹き付けて測る方法がある。次いで視野検査。視神経乳頭部以外の視野に欠けている部位。3つ目は眼底検査。装置を使い、目に光を当て、眼底(目の奥)を撮影し、視神経と視神経乳頭部の状態を調べる。40歳以上の人は1年に1回の定期検査が理想的とされる。
テレビの画面を砂嵐の状態にして、紙など丸く切り抜いて作った印を画面中央にはる。テレビ画面のタテの長さの分だけテレビから離れて、片方の目を覆い、テレビ画面中央につけた印を1〜2秒間じっとみつめる。画面の一部がかすんだり、暗く見えたりすると、視野の異常を疑う必要がある。
治療の基本は薬物療法。点眼薬を使って眼圧を下げ、視神経の負担を軽くして進行を食い止める。薬には房水の生産を抑制するタイプと房水の排出を促進するタイプがある。
房水の流れがよくない場合は、レーザー治療も用いられる。虹彩をレーザーで切って房水の通り道にしたり、線維柱帯の詰まりを改善して房水の流れをよくする。手術もあり、白目の部分に房水の新しい通り道をつくったり、線維柱帯の詰まった部分を除去したりする。(南里秀之)
(くまにちコム「健康・医療」2006年11月15日付) |
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