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目の疲れを訴える人急増 休息や作業環境に工夫を
 目の疲れを訴える人が若年層を中心に急増している。背景に、目には刺激の強すぎるパソコンの普及や深夜まで目を酷使する生活習慣などがある。慢性化した目の疲れは、眼精疲労という病気につながりかねず、日常ケアが大切だ。

「十年前に比べ、目の疲れを訴える患者は、少なくとも五倍以上増えている。特にパソコンなどVDT機器をよく使う若い人たちに目立つ」。日本大医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の石川弘・講師(日本神経眼科学会理事)は指摘する。

  上方5度、下方15度

 パソコンの強い刺激が目に有害なのは明らかだが、仕事上、使わないわけにもいかない。疲労をためず作業効率を維持する工夫が要る。

 まず液晶モニターの位置。高いと目表面の露出面積が大きくなり、涙の蒸発量が増えてドライアイになりやすい。石川講師は「水平線から上方5度、下方15度の間がよい」と言う。次にキーボードを置く机のスペースの確保。腕を机に乗せた際、ひじから先の部分が机に乗せられる奥行きが望ましい。奥行きが浅いと、手首や腕が疲れ、目に悪影響を与える。

 モニターと書類の位置関係も重要だ。位置が離れていると、目はモニターと書類、キーボードの間を小刻みに動き続け、疲労の原因になる。「キーボードとモニターを交互に見なくても済むよう書類はモニターのすぐ側に立て掛けた方がいい」と石川講師。

  筋肉疲労

 VDT作業に限らず、疲れ目は物を見る作業に起因する筋肉疲労。石川講師は「目の筋肉疲労で、物が二重に見えたり、鈍痛が起こったり、物がかすんだり、まぶしさを感じたりする」。

  物の二重映しや鈍痛は眼球の向きを調節する外眼筋を酷使し結果だ。近くの物を凝視する時は、水晶体というレンズ幅を厚く保つため、毛様体筋が緊張する。この状態が続けば、肩凝りのように毛様体筋が固まり、調節機能が低下、ピントが合わなくなる。

  また物を見る際は光量を調節する。光の入り口の瞳孔を開く瞳孔散大筋と縮める瞳孔括約筋の働きが鈍くなれば、まぶしさを感じる。石川講師は「この二つの筋肉は疲労しにくいが、高速で点滅するパソコンの光などを見続けると、脳に伝わる光情報が許容量を超えて神経や脳が疲れる」と話す。

 四つの筋肉の疲労が“震源地”になり、いろんな症状につながるわけだ。「慢性化した目の疲労は全身に悪影響を及ぼし、体が以前よりも疲れやすくなる」と石川講師。生理的疲労が慢性疲労になり、「眼精疲労」という病気になってしまう。では疲れ目を解消するには。

  検査は午前中

 「疲れはため込んで一気に解消するより、こまめに解消する方が効果的。例えば、目を一時間使う作業をしたら、十分から十五分休める」と石川講師。(1)やや遠くをぼんやり眺める(2)視線を上下左右にしたり、目玉を回す「目玉体操」をし、作業中に使わない目の筋肉を使う(3)まばたきをして涙の分泌を促すなどをアドバイスする。

 「視力を矯正するメガネやコンタクトレンズは、眼科の検査を受けて作ってほしい。目の健康状態だけでなく、網膜剥離(はくり)や緑内障など隠れた病気が分かる場合もある。検査は目の疲れがたまっていない午前中がいい。疲れていると正しい視力を測ることができない」。

 石川講師は『疲れ目の改善、視力低下を防ぐ簡単な方法』(PHP研究所 本体価格1350円)を発刊している。

 (熊本日日新聞2005年4月13日付夕刊メディカル)

 
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